童学寺のウワサの心霊話

徳島県石井町にある由緒正しき寺院「童学寺」には、古くから語り継がれる霊的な噂が存在している。弘法大師ゆかりの地として知られる一方で、火災や自殺の伝承、そして不可解な現象が多く報告されており、近年では心霊スポットとしても名を馳せているという。今回は、童学寺にまつわるウワサの心霊話を紹介する。


童学寺とは?

童学寺の風鈴

童学寺は、徳島県石井町に佇む真言宗善通寺派の別格本山であり、四国別格二十霊場第二番札所に数えられる。

山号は東明山、院号は大谷院。本尊は薬師如来である。

その歴史は飛鳥時代にさかのぼり、行基によって創建されたと伝えられている。

奈良時代末から平安初期にかけては、あの弘法大師・空海が7歳から15歳の間、この寺で学問や密教を修めたとされている。

寺名「童学寺」は、彼がこの地で学びを深めたことに由来する。

空海はこの地で「いろは四十八文字」を創作し、日本の民衆教育の礎を築いたとも言われている。

境内には、彼が書の修練に用いたとされる「お筆の加持水」が湧き出し、今なお枯れることなく霊水として崇められている。

学業成就や厄除けの霊験あらたかな寺として知られており、春には1500個もの風鈴が境内を彩る「まけまけ風鈴祭り」も開催され、多くの参拝客が訪れる。

しかし、この歴史ある寺には、決して表には出ない闇の側面も存在していた。


童学寺の心霊現象

童学寺の心霊現象は、

  • 境内で目撃される白装束の人影
  • 焼失した本堂跡地から聞こえる読経の声
  • 夜な夜な風鈴が異様なうなり声に変わる
  • 旧童学寺トンネル付近で自殺者の霊が現れる

である。以下、これらの怪異について記述する。

境内で目撃される白装束の人影

風鈴が鳴り響く夕暮れ時、境内の奥の杉木立の間を、白装束のような衣を纏った人影がふらふらと横切る姿が目撃されている。

この影は明らかに人間のものとは思えぬほど動きが滑らかで、目撃者の呼びかけに反応することもない。

近づこうとすると、すっと空気に溶けるように消えてしまうという。

特に「お筆の加持水」のあたりで多く報告されており、その水を使ってはいけないという地元住民も存在する。

焼失した本堂跡地から聞こえる読経の声

2017年3月、本堂と庫裡が火災により全焼した。

この火災以降、夕刻になると焼け跡周辺からかすかに読経の声が聞こえるようになったと噂されている。

その声は、確かに人の声であるにも関わらず、どこから発せられているのかまったく分からず、音源を辿っても誰もいないという。

さらにその声は、時に念仏のようなリズムで繰り返され、耳にした者は数日間、眠れぬ夜を過ごすと語る者もいる。

夜な夜な風鈴が異様なうなり声に変わる

「まけまけ風鈴祭り」の風鈴は、通常は軽やかな音を奏でる。

しかし、夜間に境内を訪れた者によると、風が止んでいるにも関わらず風鈴が重たく、濁った音を立てて揺れていたという。

その音はまるでうめき声のようで、「助けて」という人間の声に聞こえたという報告もある。

また、スマートフォンで録音を試みた者のデータが、すべて破損していたという不可解な出来事も起きている。

旧童学寺トンネル付近で自殺者の霊が現れる

童学寺の周辺には、かつて“命の最期を選ぶ場所”として知られた旧童学寺トンネルが存在する。

現在では新童学寺トンネルが開通し、車通りは少なくなったが、旧道に入ると空気が一変する。

トンネル付近では、自殺したとされる女性の霊が現れるという噂が根強く、彼女は髪を振り乱して「私の願い、叶えて」と呻くように語りかけてくるという。

また、トンネル内で車を止めてライトを消すと、リアウィンドウに手形がつくという不可解な現象も報告されている。


童学寺の心霊体験談

ある若者の体験談である。

深夜2時、好奇心から友人と二人で童学寺を訪れたという。

風鈴は止まっており、風もない静かな夜だった。

しかし、境内の奥で突然、**しゃん…しゃん…しゃん…**という低くくぐもった音が響いた。

風鈴ではない、まるで鎖を引きずるような重い金属音であったという。

恐怖を感じつつも、本堂跡へ向かうと、焼け焦げた地面の一角から微かに煙が立ち上っていた。

そしてその煙の中から、白い顔のようなものが浮かび上がった瞬間、友人が突然「黙れ!」と叫び声を上げたという。

彼はその後、数日間高熱を出し、うわごとのように「まだ燃えてる、まだ燃えてる」と繰り返していたそうだ。


童学寺の心霊考察

童学寺における怪異の根底には、古くからの信仰と、未練を残したままこの地に留まる霊的存在が交錯している可能性がある。

寺とは本来、魂を浄化する場であるべきだが、童学寺の場合、火災による破壊と周辺の自殺という現実的な“死”の気配が強く、それが霊的な干渉を引き寄せているとも考えられる。

特に注目すべきは、読経の声や風鈴の異変といった「音」にまつわる現象である。

これらは、霊的存在が“言葉”や“祈り”を介して現世に訴えかけている兆しであり、何かしら未解決の感情や願いが、寺の空間に染み付いている証左ではないだろうか。

童学寺は、ただの観光寺院でも霊場でもない。

そこには、人の祈りと怨念が折り重なり、境界が曖昧になった“場所”が存在しているのである。


童学寺の地図

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【管理人】狐憑きのたる

全国のウワサの心霊スポットを調査し、その魅力と恐怖を皆さんにお届けしています。