広島県安佐北区にある「恵下山公園」には、数々の不可解な出来事や目撃談が残されている。今回は、恵下山公園にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
恵下山公園とは?

恵下山公園(えげやまこうえん)は、広島県立高陽高等学校の裏手に位置する自然豊かな公園であり、弥生~古墳時代の竪穴式住居跡や、鎌倉~室町時代に築かれた山城・恵下山城跡など、複数の広島県指定史跡が点在している場所である。
公園からは山手遺跡群への遊歩道も整備され、園内には展望台、遊具、ベンチなどもあるが、現在は遺跡の多くがシートに覆われ、かつての姿を留めていないという話もある。
春には桜が咲き誇り、地域住民の憩いの場として親しまれているが、その裏で、異様な気配と不可思議な体験が後を絶たない呪われた土地としての側面も持ち合わせている。
恵下山公園の心霊現象
恵下山公園の心霊現象は、
- 少年の霊が現れる
- 心霊写真が撮れる
- 遠足で写真を撮ると高確率で心霊写真が写る
- 真昼間に黒い布をまとった女が竪穴式住居で儀式をしている
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず、公園内に出現するとされるのが、白い服を着た少年の霊である。
時間帯は昼夜を問わず、ブランコや滑り台の周辺で目撃されており、特に夕暮れ時には「ひとりでにブランコが揺れていた」との報告もある。
彼は何も語らず、ただじっとこちらを見つめるだけという。声をかけても反応はなく、数秒後には跡形もなく消えてしまうという。
また、心霊写真が頻繁に撮れるという噂も後を絶たない。
とくに遠足で訪れた小学生のグループが集合写真を撮影したところ、数人の背後に「顔のない人影」や「半透明の腕」などが写り込んでいたという報告がある。
撮影した保護者が確認したところ、現場には誰もいなかったと証言している。
さらに異様なのが、黒い布をまとった女が竪穴式住居で儀式をしていたという目撃談である。
これは昼間、遺跡見学に訪れた中年女性が遭遇したもので、住居の内部で女が両手を広げ、何か呪文のような言葉をつぶやいていたという。
その女の顔は布で隠され、素肌が一切見えなかったため、生きている人間なのか、それとも霊的存在なのか判断がつかなかったという。
見物人が声をかけると、女はスッと消えるようにして姿を消した。
これらの現象は、公園の史跡に深く関係しているとも言われている。
恵下山公園の心霊体験談
広島市内に住む40代男性が語る体験談がある。
「家族で花見に行った春の午後でした。子どもが『あの子、誰?』とブランコのほうを指さしたんです。でもそこには誰もいない。なのに、ブランコだけがゆっくり、静かに揺れていたんです。しかも風も吹いていないのに…不気味でしたね。帰宅してから、何気なく撮った写真を見たら、遊具の影の中に、顔のようなものが…今でもゾッとします」
また、別の女性はこう語っている。
「昼間、竪穴式住居の跡を見ようと行ったら、遠くから何か黒いものが動いているのが見えたんです。近づくと、布をまとった女性が地面に向かって手をかざしている姿が…。声をかけようとした瞬間、その姿が煙のようにかき消えたんです。本当にいたのかどうか、いまだに分からない。でも、あれ以来、夜に金縛りが起こるようになりました」
恵下山公園の心霊考察
恵下山公園は、弥生時代から中世までの長い時代にわたる人の営みと死の記録が重なった土地である。
とくに竪穴式住居や山城跡は、単なる文化遺産であると同時に、数多の「死」が埋もれた場所でもある可能性が高い。
戦や飢饉、病で亡くなった者たちの霊が、いまだこの土地に留まり続けているとしても不思議ではない。
少年の霊は、かつて山城を守るために動員された子ども兵なのか、あるいは後世にこの地で命を落とした者の化身なのか。
黒い布の女にいたっては、その存在自体がまるで異界からの使者のようであり、地元では「竪穴式住居の巫女」とさえ呼ばれることもある。
心霊写真に写り込む影もまた、ただの偶然ではなく、この地に染みついた何かが「記録」として強制的に現世へ干渉している証とも考えられる。
かつての戦乱と古代信仰が交錯するこの土地では、今もなお時代の隙間に取り残された者たちが、無念と共に彷徨っているのかもしれない。
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