山口県山陽小野田市にある江汐公園には、地元でささやかれる不気味な噂が存在する。自然豊かなこの公園だが、夜になると雰囲気は一変し、ある“存在”が姿を現すという。今回は、江汐公園にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
江汐公園とは?

江汐公園は山陽小野田市に位置する、東京ドーム約29個分という広大な敷地を持つ自然公園である。
園内には、ロマンチックと称される江汐湖が広がり、春には約5万本ものコバノミツバツツジが咲き誇る。
バラ園、あじさい園、つり橋、キャンプ場、フィールドアスレチック、テニスコート、研修室など、多彩な設備が整備されており、年間20万人以上の来園者が訪れる。
家族連れや高齢者が散策を楽しむ昼間の姿からは想像もつかないが、この憩いの場には、夜になると奇妙な噂がささやかれるようになる。
江汐公園の心霊現象
江汐公園の心霊現象は、
- 公衆トイレで自殺した男性の霊が出現する
- ボート乗り場付近での自殺と、その場に現れる幽霊の噂
- 夜の園内で幽霊が彷徨うという証言
- 湖畔で聞こえる水音や気配にまつわる不審な体験
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず最も有名なのが、公園内の公衆トイレに現れる男性の霊である。
このトイレではかつて男性の自殺があったとされており、その怨念が未だ成仏できずに彷徨っているのだという。
夜にトイレを訪れた者の中には、個室から「誰かがいるような」気配を感じたり、「ガタン」とドアの音が鳴るのを聞いたという者もいる。
だが、そこに誰の姿もなかったという。
さらに、江汐湖のボート乗り場近くでも、自殺者が出たという噂が存在する。
その場にたたずむ白い影や、湖をじっと見つめる人影が確認されたという話もある。
これらの体験は、地元住民の間ではある種の“禁忌”として語られている。
また、夜の園内を彷徨う幽霊の目撃談も多い。
かなり広大な敷地を持つこの公園では、夜になると照明が届かないエリアが多く、ただでさえ不気味な雰囲気が漂う。
そんな中で、誰もいないはずのベンチに腰掛ける人物、暗がりを横切る白い影などが報告されている。
そして、最後に湖畔での異常現象である。
昼間は水鳥のさえずりや自然音が心地よく響く場所だが、夜になると状況は一変する。
誰もいないはずの湖畔から「チャポン」という水音が聞こえたり、水中から視線を感じるという者もいた。
中には、水面をのぞき込んだ際に“こちらを見上げる顔”を目撃したという者すら存在する。
江汐公園の心霊体験談
ある訪問者は、深夜に江汐公園を散策していたところ、公衆トイレの前で急に寒気に襲われたという。
何かに背後をじっと見つめられているような感覚が続き、振り返っても誰もいない。
それでもその「視線」は確かに感じられた。
たまらずトイレを確認しようと扉を押した瞬間、奥の個室から「ガタン」と音が響いたという。
恐怖に駆られその場を逃げ出した彼は、「あれは風なんかじゃなかった」と語っている。
また別の人物は、湖畔を歩いている際、湖面に何かが浮かんでいるのを目撃した。
光の反射では説明できない“顔のような何か”が、こちらをじっと見つめていたという。
ライトを向けた瞬間、それは音もなく水中に沈んでいったらしい。
江汐公園の心霊考察
江汐公園は自然に囲まれた癒しの空間でありながら、同時に“人の死”と密接に結びついている可能性がある。
自殺という突然の死、しかも公衆トイレという日常的な場所での死は、その場に強い負のエネルギーを残すとされている。
また、湖という静寂と深淵を併せ持つ存在は、古来より霊的な世界とつながりやすいと考えられている。
水の中から聞こえる音や、感じる気配は、単なる自然現象では片づけられないものかもしれない。
江汐公園には、過去に命を絶った者たちの無念と、自然の中に潜む“何か”が共鳴しているように感じられる。
日中の華やかさの裏に潜むその闇に、ふとした瞬間に足を踏み入れてしまった者は、二度と戻れない世界を垣間見ることになるかもしれない。
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