船上山は、南北朝時代の激戦地として知られ、多くの武士が命を落とした古戦場である。その歴史の影には、数々の怪異が語り継がれてきた。今回は、船上山にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
船上山とは?

船上山(せんじょうさん)は、鳥取県東伯郡琴浦町にある標高687メートルの山である。
かつて「船上山の戦い」が繰り広げられたこの地は、多くの戦死者を出した古戦場であり、その歴史の影が今なお深く刻まれている。
山岳霊場としても知られ、智積寺が開基した場所とも伝えられている。
船上山の特徴的な地形は、火山活動と長年の浸食によって生まれたものであり、特に東側斜面の断崖絶壁「屏風岩」は圧倒的な存在感を放つ。
その厳かな風景の中には、戦いに散った者たちの怨念が今も漂っているのかもしれない。
船上山の心霊現象
船上山の心霊現象は、
- 落ち武者の生首が宙に浮かぶ
- 霧の中に佇む武士の霊
- 山中で声をかけると人影が消える
- 絶対に入ってはいけない宿泊施設の部屋
- 深夜に響く太鼓と笛の音
- 白い壁に向かい叱責し続ける教師の姿
である。これらの怪異について、以下に記述する。
落ち武者の生首が宙に浮かぶ
「船上山少年自然の家」では、夜中にふと目を向けると、木々の間に浮かぶ落ち武者の生首を見たという証言がある。
その目は血走り、無念の表情を浮かべながらじっとこちらを見つめていたという。
霊感のある者ほど、この恐ろしい光景を目撃しやすいという話もある。
霧の中に佇む武士の霊
船上山の山道では、深夜になると霧の中に人影が立っているのを見たという話が後を絶たない。
その影に近づくと、まるで戦国の世から抜け出してきたかのような甲冑姿の武士が佇んでおり、次の瞬間には霧とともに消えてしまうのだという。
山中で声をかけると人影が消える
ある登山者が、山道を歩いている最中、前方に誰かがいるのを目撃した。
背中を向けて佇むその影に「こんばんは」と声をかけたところ、その瞬間、音もなくスッと消え去ったという。
絶対に入ってはいけない宿泊施設の部屋
船上山の宿泊施設には、「決して入ってはいけない部屋」が存在すると言われている。
かつてその部屋には御札が貼られていたが、現在ではその跡もなくなっているという。
しかし、夜になると宿泊者の耳元で囁く声や、誰もいないのにドアを叩く音が聞こえるという話がある。
深夜に響く太鼓と笛の音
学校行事で宿泊した生徒たちの中には、深夜にふと目を覚ますと、遠くの山のほうから「ドン…ドン…」という太鼓の音と、「ヒュー…ヒュー…」という笛の音が聞こえたと語る者がいる。
しかし、同じ部屋にいた生徒全員がその音を聞いたわけではなく、一部の者にしか聞こえなかったという。
これは、戦で散った者たちの亡霊が奏でる鎮魂の調べなのだろうか。
白い壁に向かい叱責し続ける教師の姿
ある夜、女子生徒たちがトイレへ向かう途中、長い廊下の突き当たりに担任教師が立っているのを見つけた。
奇妙なことに、その教師は白い壁に向かって誰かを叱り続けていた。
誰もいないはずの場所に、まるで見えない何者かを注意しているかのように…。
翌朝、その教師に話を聞くと「女子が一人そこにいたから注意した」と言った。
しかし、生徒たちは誰一人としてそんな人物を見てはいなかったという。
船上山の心霊体験談
肝試し中に聞こえた謎の足音
ある小学生たちは、キャンプで船上山に訪れ、肝試しを行った。
指定されたルートを歩いていると、誰もいないはずの左側の斜面から「ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…」という足音が聞こえた。
しかし、懐中電灯で照らしてみても、そこには木々が生い茂る斜面があるだけで、人の姿はなかった。
木の上に浮かぶ武士の生首
深夜、夜の散策中に突然泣き出した生徒がいた。
「あの木の上に武士の生首が睨んでいる!」と指をさしながら震え上がっていた。
その場にいた他の生徒には何も見えなかったが、霊感の強いその子には、明らかに恐ろしいものが映っていたのだろう。
ピエロの絵が…
船上山のある施設には、不気味なピエロの絵が飾られているという。
その絵は夜になると少しずつ表情が変わると言われ、宿泊者の中には「笑っていたはずのピエロが、朝には泣いていた」と証言する者もいる。
船上山の心霊考察
船上山の心霊現象は、戦で無念の死を遂げた武士たちの怨念が未だに漂っていることに起因していると考えられる。
特に「落ち武者の生首」や「戦国時代の武士の霊」が目撃される点から見ても、この場所には強い霊的エネルギーが残っている可能性が高い。
また、「太鼓や笛の音が一部の人にしか聞こえない」「教師が見えない存在を叱り続けていた」という点も、異界との境界が薄い場所であることを示唆している。
そして、「決して入ってはいけない部屋」の存在。かつて貼られていた御札は、何かを封じるためのものだったのかもしれない。
それが剥がされた今、そこで何が起こるのかは、誰にもわからない。
船上山は、ただの歴史的な古戦場ではない。そこには、決して踏み込んではならない領域があるのかもしれないのだ。
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