広島市にある二葉山平和塔(仏舎利塔)は、平和の象徴として建立された美しい慰霊塔である。しかし、その静寂に満ちた外観とは裏腹に、深夜になると不可解な音や声が聞こえ、姿なき霊の気配が報告されるなど、数々の心霊現象が噂されている場所でもある。今回は、二葉山平和塔(仏舎利塔)にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
二葉山平和塔(仏舎利塔)とは?
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広島駅の北側に位置する標高139mの小高い山、二葉山。その山頂に建つのが、広島市民の平和を祈願して建立された「二葉山平和塔(仏舎利塔)」である。
昭和41年(1966年)、人類の恒久平和と原爆犠牲者の冥福を祈り、民間の有志により建立されたこの塔には、インドのネール元首相とモンゴル仏教徒から贈られた仏舎利が納められている。
塔の内部には、県民による祈念石も数万個納められ、静謐な空気が漂っている。
広島市街を一望できる絶景スポットである一方、夜になると訪れる者はほとんどいない。
理由は――この場所にまつわる、数々の不可解な現象の存在であるという。
二葉山平和塔(仏舎利塔)の心霊現象
二葉山平和塔(仏舎利塔)の心霊現象は、
- 真夜中に風鈴の音がどこからともなく響き、次第に近づいてくる
- 「水を持ってきてくれ…」という苦しげな声が、耳元でささやかれる
- 女性の甲高い笑い声が、周囲に誰もいないにもかかわらず木々の間から響く
- 形を持たない正体不明の霊が、塔の周辺に現れることがある
である。これらの現象が、登山者や地元住民の間でひっそりと語られ続けているのである。
以下、これらの怪異について記述する。
「風鈴の音」は、夜になると山の斜面を這うように響くという。
通常、塔の周辺に風鈴は設置されていないにもかかわらず、風がない日でも不気味な音色が耳に届く。
そして、その音はどんどんと近づき、耳元で消える。まるで見えない何かが側まで来ているかのように。
また、「水を持ってきてくれ…」という声は、夜間に一人で訪れた者の間で頻繁に報告されている。
その声は苦しげで、弱々しく、しかも明らかにこの世のものではない響きがあるという。
そして、時折聞こえる「女の高笑い」は、塔の背後にある林の奥から響いてくるとされる。
木々に反響するその声は、何かを嘲笑っているかのように不気味で、笑いが終わった後には、突如として辺り一面が凍りついたような静寂に包まれる。
姿なき霊の目撃談も多く、塔の周囲を歩く白い影、登山道に立ち尽くす黒い人影、視界の隅で動く気配など、実体を伴わない存在が、訪問者の背後に付きまとう。
二葉山平和塔(仏舎利塔)の心霊体験談
ある男性が深夜、夜景を眺めようと塔を訪れたところ、誰もいないはずの塔の脇から「チャリ…チャリ…」と鈴のような音が聞こえ始めた。
不審に思って辺りを見渡すも誰の姿も見えない。
そしてその音が自分の背後に迫った瞬間、耳元で「助けて…水を…」というか細い声が聞こえたという。振り返ったが、そこには何もいなかった。
その夜以来、彼は高熱と悪夢に数日間うなされ、再びその場所を訪れることはなかった。
二葉山平和塔(仏舎利塔)の心霊考察
この地が心霊スポットと呼ばれる理由の一つは、戦時中に高射砲台が設置されていたという過去にあると思われる。
近隣には機関銃の台座跡も残されており、この地は文字通り“死と向き合う場所”であった。
また、原爆の惨劇にまつわる慰霊の地であることも関係しているのかもしれない。
仏舎利塔という平和の象徴である場所に、なぜこれほどまでに不穏な気配が漂うのか。
それは、戦争の記憶、原爆の犠牲者たちの思念、そして歴史の闇が、今もなおこの場所に刻まれているからなのかもしれない。
塔の白さが夜の闇に浮かび上がる時、それは慰霊の光ではなく、無念の魂たちの“灯”なのかもしれないのである。
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