山口県萩市にある「萩キリシタン殉教者記念公園」には、キリスト教弾圧によって命を落とした数多くの殉教者たちが眠っている。彼らの無念が今もなお土地に染みつき、記念碑の周囲では異変や不可解な現象が相次いでいるという。今回は、萩キリシタン殉教者記念公園にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
萩キリシタン殉教者記念公園とは?

この地には、二つの異なる時代に起きたキリシタン迫害の悲劇が刻まれている。
ひとつは、1605年の「五郎太石事件」に端を発した熊谷元直・天野元信一族の大量処刑事件。
萩城築城の石材を巡る些細な紛争が口実となり、毛利輝元の命により、キリシタンであることを理由に彼ら一族11名が皆殺しにされた。
もうひとつは、明治時代の「浦上四番崩れ」。
長崎浦上村から萩に流された約300人のキリスト教信徒たちは、苛烈な拷問と改宗の強要にさらされ、約40名が命を落とした。
そのうち20名が、この記念公園の地に埋葬されたという。
彼らが幽閉されていた旧岩国藩の屋敷跡に、1891年、初代萩カトリック教会司祭ビリョン神父によって慰霊碑が建立された。
飢えと寒さ、そして信仰を理由に命を奪われた者たちの霊を慰めるために。
萩キリシタン殉教者記念公園の心霊現象
萩キリシタン殉教者記念公園の心霊現象は、
- 墓地の周辺で、夜になると人のうめき声が聞こえる
- 木々の間に裸で拷問を受けたような人物の幻が立っている
- 記念碑の前で写真を撮ると、顔のない影が写る
- 公園内で子どもが突然「泣いている人がいる」と言い出す
である。以下、これらの怪異について記述する。
この記念公園は、まるで墓そのもののような小高い丘に囲まれ、川と住宅地に挟まれてひっそりと存在している。
日中はよく整備されており、美しい石碑群が並ぶ。しかし、夜になると空気が一変する。
記念碑の周辺では、霧が出ていないにもかかわらず視界が曇るような感覚に襲われるという。
石碑の文字を読んでいると背後に人の気配を感じ、振り返ると誰もいない。
最も多く語られているのは、夜に「助けて」「寒い」といったかすれた声が聞こえてくるという現象である。
また、殉教者が裸で拷問されたと伝わる石が集められている場所では、薄暗い中に白い人影が立っているという目撃談が相次いでいる。
それは決して観光客の姿などではなく、地に縛られた霊の姿そのものであるという。
萩キリシタン殉教者記念公園の心霊体験談
ある女性は、日没後にひとりで公園を訪れた。記念碑の前で祈りを捧げていたところ、背後から肩を叩かれたという。
驚いて振り返ったが、そこには誰もいなかった。
別の若者は、友人とふざけて心霊写真を撮ろうとスマホを構えたところ、画面に黒く歪んだ顔のようなものが浮かび上がった。
直後、スマホは突然フリーズし、以後電源が入らなくなったという。
また、地元の子ども会で訪れたという中学生は、記念碑のそばで「裸のおじさんが立ってた」と話し、大人たちを震え上がらせた。
もちろん、そんな人物がいた形跡はない。
萩キリシタン殉教者記念公園の心霊考察
この地に眠るのは、時代を超えて殉教した信仰者たちである。
彼らは命を奪われ、拷問を受け、家族ごと殺された。
信仰に殉じたという尊い言葉では言い尽くせぬほどの痛みが、この場所には染み込んでいる。
写真に写る影、聞こえるはずのない声、冷たい風の中に感じる気配。
それは、ただの偶然や錯覚では片づけられない。
人々が「忘れてはいけない」と願ったこの記念碑が、ただの石ではなく、「訴える魂そのもの」になっているのではないだろうか。
近代国家として歩み始めた明治の光の裏側にあった深い闇。
それを象徴するこの場所に足を踏み入れるとき、我々は現世と霊界のあわいに立たされているのかもしれない。
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