福岡県北九州市にある畑隧道には、夜な夜な老婆の霊が現れ、異様な速さで車を追いかけてくるという戦慄の噂が囁かれている。今回は、畑隧道にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
畑隧道(北九州市)とは?
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畑隧道は、福岡県北九州市八幡東区に位置する県道61号線沿いに存在するトンネルである。
1967年に竣工され、延長257メートル、幅員6.60メートルという中規模の道路トンネルである。
この隧道は、九州自動車道の下を通る位置にあり、周辺は急勾配とブラインドカーブが連続する難所でもある。
峠道の西側に位置し、ドライバーにとっては「二度と通りたくない道」とまで言われるほどの不気味な雰囲気を放つ。
すぐ近くには畑観音という寺があり、古くから人々の信仰を集めてきたが、その神聖さとは裏腹に、トンネル内では心霊現象が多発しているという噂が後を絶たない。
畑隧道(北九州市)の心霊現象
畑隧道の心霊現象は、
- 老婆の霊がトンネル内で目撃される
- 老婆の霊が異常な速さで追いかけてくる
- トンネル付近で起きた死亡事故との関連
- 追いかけられた者がパニックに陥り事故を起こす
である。以下、これらの怪異について記述する。
このトンネルで最も有名な心霊現象は、「老婆の霊が現れる」というものである。
目撃情報によれば、老婆は白髪を振り乱し、着物姿のままトンネル内をさまよっているという。
問題はその移動速度である。
年齢に似つかわしくない速さで、トンネル内を走る車両を追いかけてくるというのだ。
まるでこの世の者ではないかのように、音もなく、しかし確実に背後から迫るその存在は、振り返った瞬間、後部座席に張り付くように佇んでいることさえあるという。
恐怖に駆られた運転者はハンドル操作を誤り、トンネル出口付近の急カーブで事故を引き起こすという説もある。
実際、2020年4月23日午後10時ごろ、畑隧道手前のゆるやかなカーブで、軽自動車がガードレールに衝突し炎上、60歳の母親と30歳の長男、29歳の次男の計3人が死亡するという惨事が発生している。
車内は激しく焼け、遺体の判別すら困難な状況であった。
この事故には諸説あるが、心中の可能性も否定されていない。
しかし、老婆の霊に追い詰められ、意識を混濁させた末の惨劇だったとしたら――その考えが頭をよぎるだけで、背筋が凍りつく。
畑隧道(北九州市)の心霊体験談
ある若者の証言によると、深夜、畑隧道を車で走行中にバックミラーに見知らぬ老婆の姿を見たという。
助手席の友人が振り返ると、そこには誰もいなかった。
しかし、トンネルの出口に差し掛かった瞬間、車の窓を「コツコツ」と叩く音が鳴り響き、慌てて加速して逃げたという。
また別の体験者は、トンネルを抜けた後、後部座席が濡れていたと語る。
車内に水の持ち込みはなく、雨も降っていなかった。
不自然な水の跡と異臭は数日経っても消えなかったという。
畑隧道(北九州市)の心霊考察
畑隧道に現れる老婆の霊の正体については、さまざまな憶測が飛び交っている。
かつてこの場所で亡くなった女性の霊だという説、あるいは近くの畑観音に眠る無念の魂が彷徨っているという説もある。
事故が頻発する立地や構造、そしてトンネル特有の閉塞感が、人々に心理的圧迫を与え、怪現象を「見せてしまう」のかもしれない。
しかし、現実に起きた悲劇と老婆の霊の目撃談があまりにも符合しすぎており、偶然とは思えない。
老婆の霊が何を求めて彷徨っているのか、その真相は未だ闇の中である。
だがひとつ言えることは、この場所に足を踏み入れる者は決して油断してはならないということである。
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