山口県山口市に存在する「早間田地下道」には、不穏な噂が長年ささやかれてきた。人々が日常的に行き交うこの地下道で、一体何が起きているのか──今回は、早間田地下道にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
早間田地下道とは?

早間田地下道は、山口市の早間田交差点に位置する歩行者用の地下通路である。
市役所の再整備事業にともない、交差点の平面化が検討される中で、その存在が再び注目を集めている。
周辺には国際ホテル山口や山口市民会館、さらに観光地としても知られる亀山公園などがあり、人の往来が多いエリアである。
にもかかわらず、この地下道には昼間でも薄暗さが漂い、どこか“異質な空気”を感じさせる場所となっている。
早間田地下道の心霊現象
早間田地下道の心霊現象は、
- 地下道の奥から誰もいないのに足音だけが近づいてくる
- 焦げたような異臭が漂ってくることがある
- 通行中に突然、背後から「助けて」という声が聞こえる
- 男性の黒い影が壁際に立っているのを見たという目撃談
である。以下、これらの怪異について記述する。
かつてこの地下道では、ひとりの男性がガソリンをかぶり、自ら火を放って命を絶ったとされる。
この焼身自殺の出来事は、地元の一部では現在も語り継がれており、それを境に地下道の空気は明らかに変わったという。
地下道を歩いていると、誰もいないはずの奥から「コツ、コツ……」と乾いた足音だけが響いてくることがある。
振り返っても誰もおらず、音はいつの間にか止む。この現象は特に深夜に多く報告されている。
また、突然焦げたような異臭が漂うこともあり、それは一瞬で消えるが、鼻腔に焼きついたような不快感を残す。
誰かが焼け焦げたような匂い──まさしく、生きたまま燃えた人間の記憶が、地下道に染みついているかのようである。
「助けて」というか細い男性の声が、誰もいない空間から発せられることもあるという。
声の主を探しても姿は見つからず、ただ、周囲の空気だけがひんやりと冷たくなっているという証言が残されている。
さらに、壁際に黒い影が立っているのを見たという目撃談も複数存在する。
その影は、まるで通行人を見つめているかのように動かず、目が合ったと感じた直後、ふっとかき消えるという。
早間田地下道の心霊体験談
ある若い女性が、夜間に駅からの帰り道として地下道を通ったときのことである。
途中で背後に人の気配を感じた彼女が振り返ると、誰もいない。
歩き出すと、再び足音が近づいてくる──しかし、通路には彼女一人だけだった。
その後、彼女は地下道の出口付近で異様な焦げ臭さを感じ、急いで外へと飛び出した。
地上に出ると、匂いも気配も一切消えていたという。
「二度と通らない」と語る彼女の表情は、明らかに何か“見てはいけないもの”を感じた者のものだった。
早間田地下道の心霊考察
この地下道で目撃される黒い影や、焦げたような異臭、助けを求める声は、過去の焼身自殺と深い関係があると考えられる。
特に、焦げ臭さと幻聴の組み合わせは、強い怨念や未浄化の魂がその場に残り続けている可能性を示唆している。
人の往来が多い場所に霊が出るのは珍しいが、それだけ“強烈な死”であったことの証であるともいえる。
また、地下道という空間の閉塞性・暗さが、霊的現象を引き寄せやすくしている要因でもあるだろう。
焼死という壮絶な最期を遂げた人物の魂は、今なお地下道の片隅で、自分の存在に気づいてもらえることを待ち続けているのかもしれない。
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