福岡県北九州市に存在する、山中の古びたトンネル『櫨ヶ峠隧道』。その場所には、数多の不可解な現象と恐怖の体験談が囁かれている。今回は、櫨ヶ峠隧道にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
櫨ヶ峠隧道とは?

『櫨ヶ峠隧道(はぜがとうげずいどう)』は、福岡県北九州市小倉南区に位置する県道28号線沿いの山岳トンネルである。
1931年(昭和6年)に竣工されたこのトンネルは、長さ約280メートル、1車線の狭さで知られており、薄暗い内部は常に湿気を含み、壁面はデコボコで荒れ果てている。
かつて、第二次世界大戦中には日本軍の弾薬庫として使われていたと伝えられており、その名残なのか、どこか冷たく重苦しい空気が今もなお漂っている。
近隣には「鱒渕ダム」や「菅生の滝」など、同様に心霊スポットとして噂される場所が存在しており、櫨ヶ峠隧道一帯には、何か得体の知れない因縁があるのではないかと囁かれている。
櫨ヶ峠隧道の心霊現象
櫨ヶ峠隧道で目撃されている心霊現象は、
- バイク事故で亡くなったライダーの霊が現れる
- トンネル内に黒い人影や白い人影が浮かび上がる
- 「キーン」と耳をつんざくような金属音が突然鳴り響く
- 少女の幽霊が現れ、声をかけてくることがある
- 心霊写真が撮れるという報告が多数存在する
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず最も語り継がれているのが、バイク事故で命を落としたライダーの霊である。
ある日、峠道を猛スピードで走行していたライダーが、トンネル内で対向車と正面衝突し、その場で即死したという。
以降、夜間このトンネルを訪れると、エンジン音がしないにも関わらず、バイクのヘッドライトのような光が背後から迫ってくるといった現象が報告されている。
次に報告されているのは、「黒い人影」および「白い人影」の存在である。
特にトンネルの出口付近で目撃されることが多く、視界の端にちらりと現れては、次の瞬間にはかき消える。
ある者はそれを「まるでこちらを誘ってくるような視線を感じた」と証言している。
また、「キーン」という金属が擦れるような高い異音が突如として耳元で鳴る現象も多発している。
これは特に霊感のある者に集中して起こるとも言われており、何かしらの霊的存在が意思を持って接触してきているのではないかと考えられている。
さらに奇妙なのは、トンネルの中に現れるという少女の幽霊である。
訪れた者に向かって「何をしているの?」と問いかけてくるケースもあり、その声は時に耳元で、時にトンネルの奥から響いてくるのだという。
そして、櫨ヶ峠隧道では数多くの心霊写真が撮影されている。背景に浮かぶ顔、影、光の歪み。
中には、デジタルカメラの不具合として処理しきれないような“何か”が写り込んでいるものもあるという。
櫨ヶ峠隧道の心霊体験談
ある肝試しに訪れた人物は、次のような体験を語っている。
「先日、行ってきました。まるで何かに誘い込まれるように迷うことなく辿り着きました。足を踏み入れた瞬間、誰もいないはずなのに、すぐに女性の悲鳴が聞こえました。そして、視線を感じたその先には、確かに“居るはずのない”黒い人影が佇んでいたのです。」
このような証言は一つや二つではない。何人もの訪問者が、同じような現象を異なる時間、異なる状況で体験しているのだ。
櫨ヶ峠隧道の心霊考察
櫨ヶ峠隧道における心霊現象は、その多様性と一貫性において興味深いものがある。
バイク事故によるライダーの霊、少女の幽霊、金属音、影の出現。これらが単独ではなく、複数の現象として交錯している点が、この場所の異質さを物語っている。
加えて、隧道のすぐ近くには竹藪に囲まれた「謎の鳥居」が存在しており、これが本来何を祀っているのかは不明である。
この鳥居こそが霊的な結界、あるいは封印であった可能性も否定できない。
さらに、過去に軍事目的で使用されていた歴史を考慮すれば、人知れず命を落とした者の怨念が沈殿していても不思議ではない。
櫨ヶ峠隧道の周辺には、他にも心霊スポットが点在しており、この一帯自体が何か霊的な磁場の中心である可能性もある。
偶然とは思えない重なりが、この場所の“何か”を物語っているのではないだろうか。
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