佐賀県白石町にある「肥前犬山城展望台」は、かつての激戦地を望む絶景スポットでありながら、落ち武者の霊や白い影の目撃談など、数々の不気味な心霊現象が語り継がれている場所である。今回は、肥前犬山城展望台にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
肥前犬山城展望台とは?

肥前犬山城展望台は、佐賀県白石町に位置する杵島山の高峰・犬山岳(標高342メートル)の山頂に建てられた模擬天守閣型の展望施設である。
この展望所は観光目的で設けられたものであり、歴史上この場所に実際の城が築かれた記録は存在しない。
しかし、展望台から見下ろせる三つの小高い丘陵の中には、戦国時代の激戦地であった「須古城跡」がある。
須古城は平井氏の居城であり、龍造寺隆信との間で四度に渡る血で血を洗う戦が繰り広げられた。
最終的には平井氏が滅び、須古城は龍造寺隆信の手に渡った。
周辺には他にも杵島城や小島城の城跡が点在し、この地域一帯が戦乱の記憶を色濃く残す場所である。
また、山の中腹には火葬場もあり、土地そのものに不気味な雰囲気が漂っている。
肥前犬山城展望台の心霊現象
肥前犬山城展望台の心霊現象は、
- 落ち武者の霊が現れる
- 男性の霊が彷徨う姿が見える
- 展望台付近で人影が横切る
- 車のフロントガラスに白い影がぶつかる
である。以下、これらの怪異について記述する。
展望台の最上部から、訪れた者は広大な佐賀平野と有明海を見渡すことができる。
四季折々に姿を変えるその絶景は一見の価値があるが、日が暮れ始めた頃からこの場所の空気は一変する。
かつてこの地域で命を落とした落ち武者の霊が、展望台の周辺を彷徨っているという報告が相次いでいる。
その姿は甲冑をまとい、首元が血で染まっていたという証言さえ存在する。
また、夜間に訪れた者の中には、男性の霊らしき姿を目撃した者もいる。
黒い影のようなものが、展望台の影に吸い込まれるようにして消えたという。
さらに、夜中に車で山を登っていた若者たちが、展望台付近で突然フロントガラスに「ドーン!」と白い影がぶつかってきたという体験談もある。
あまりの衝撃に急ブレーキを踏んだ彼らが車を降りて確認したところ、そこには何もなかった。ただ、ガラスには指のような跡が残されていたという。
肥前犬山城展望台の心霊体験談
ある深夜、地元の若者グループが肝試しに展望台を訪れた際の出来事である。
展望台の階段を上がる途中、誰もいないはずの背後から草履のような足音が聞こえたという。振り返っても誰の姿もない。
恐怖を感じた彼らは急いで車へ戻ったが、そのときフロントガラスに白い影が勢いよくぶつかってきた。
霧のような影は数秒で消えたが、車内には異様な寒気が立ち込め、エンジンがかかりにくくなったと語られている。
肥前犬山城展望台の心霊考察
展望台そのものには史実としての戦跡はないものの、周囲の地には確かに多くの血が流れた歴史が刻まれている。
須古城を巡る戦いは壮絶であり、多くの命が無念のまま散っていったことだろう。
火葬場という死を連想させる施設が中腹にあることも、この地の霊的エネルギーを強めている要因の一つと考えられる。
落ち武者の霊や人影の目撃は、こうした歴史的背景と死の記憶が複雑に交錯し、この場所に未練を残す者たちの“残響”が視えるのかもしれない。
また、模擬天守という「本物ではない城」が建つこの地に、まるで本来あるべきだった歴史がねじれ、怨念が引き寄せられているという考えも否定できない。
静けさと美しさの裏に潜む、決して触れてはならない記憶。
それが「肥前犬山城展望台」の正体である。
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