愛媛県松山市にかつて存在した北条母子健康センターは、廃墟となってから数々の怪奇現象が語られてきた場所である。今回は、北条母子健康センターにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
北条母子健康センターとは?

北条母子健康センターは、愛媛県松山市(旧北条市)の土手内漁港近くの住宅街に位置していた母子健康センターである。
1965年から1975年の間に開設された公共施設で、母子保健を目的に利用されていたとされる。
しかし、使用されなくなった正確な時期は不明である。
2012年頃には既に廃墟同然で、多くの窓ガラスは破損し、補修代わりに貼られたトタン板も朽ち果てていた。
その荒廃した姿から「心霊スポット」として語られるようになり、やがて恐怖の噂が広がったのである。
2020年頃には近隣住民の駐車場として利用されていたが、2022年には取り壊され、現在は障害者向け訓練施設が新たに建設されている。
すでに現存しない場所であるが、その名は今なお心霊の舞台として語り継がれている。
北条母子健康センターの心霊現象
北条母子健康センターの心霊現象は、
- 女性の叫び声が聞こえる
- 看護婦の霊が現れる
- ラップ音が鳴り響く
- 心霊写真が撮れる
である。以下、これらの怪異について記述する。
この場所の最も有名な噂は「女性の叫び声」である。
夜、建物の周囲を歩くと、まるで助けを求めるかのような絶叫が響くとされる。
誰もいないはずの廃墟で聞こえるその声は、耳に残り続けるほどの迫力で、訪れた者を震え上がらせたという。
また、看護婦の霊が現れるという話も多い。白衣姿の女が建物の奥に立ち、来訪者を見つめる姿が報告されている。
彼女がこの施設に関わりを持っていた者なのか、それとも噂によって形を得た怨霊なのかは不明である。
さらに内部ではラップ音が頻繁に鳴るとされる。壁を叩くような乾いた音や、ガラスを爪でひっかくような異様な音が闇の中に響き渡るのである。
こうした音とともに写真を撮影すると、高確率で不可解な影や人影が写り込み、心霊写真となって残ることが多いと噂されていた。
北条母子健康センターの心霊体験談
ある探索者は夜間にセンターを訪れ、内部で撮影を行った。
その際、撮影した写真の一枚に白い服を着た人影がぼんやりと浮かび上がっていたという。
同行していた仲間たちには誰一人白衣を着ていた者はいなかったため、その存在は説明のしようがなかったと語っている。
また別の者は、静かなはずの建物内で突如、耳元で女性の悲鳴を聞いたと証言している。
その声は確かにすぐ傍で響いたのに、辺りには誰もいなかったという。
恐怖に駆られた彼は一目散にその場を逃げ出した。
北条母子健康センターの心霊考察
北条母子健康センターにまつわる数々の心霊現象は、施設の荒廃した姿や廃墟という環境が生み出す恐怖心に由来する部分もあるだろう。
しかし、複数の人間が同様の「女性の叫び声」や「看護婦の霊」を目撃・体験している事実は看過できない。
かつて母子の健康を守るために建てられた施設が、時を経て人々に恐怖を与える存在へと変貌したのは皮肉である。
解体され現存しない今もなお、叫び声や白衣の霊の噂が消えぬのは、何らかの強い念がそこに刻まれていた証左であるのかもしれない。
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