香川県高松市庵治町、丸山峠近くに佇む廃ラブホテル「ホテル庵治」。1970年代から営業していたとされ、2000年前後に閉業したと考えられているが、今もなお不気味な姿を残している。今回は、ホテル庵治にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
ホテル庵治とは?

ホテル庵治とは、高松市庵治町・丸山峠近くに位置するラブホテル跡である。
1970年代には既に存在していたとされ、2000年前後には閉業したと考えられている。
かつては一階がガレージ、二階が客室というモーテル形式の建物であり、白壁と臙脂色の窓枠が印象的な外観であった。
現在は濃い藪に覆われ、建物は崩壊寸前の状態にある。
敷地には「マリン」と記された倒壊看板が残されており、正式名称は「ホテルマリン」であった可能性があるが、「庵治」と「マリン」が別の建物で並んで存在していたとの説もある。
いずれにしても、今では完全に廃墟化し、かつての繁栄を想像することは難しい。
この廃墟を一層不気味なものにしているのが、入口付近に大量に置かれたお地蔵である。
これは廃業後に石材店が倉庫代わりに利用したために残されたとされるが、今もなお無造作に放置されている姿は異様であり、訪れる者の不安をかき立てるのである。
ホテル庵治の心霊現象
ホテル庵治の心霊現象は、
- 特別室(スイートルーム)の窓に人影が映る
- 女性の「フフフ……」という笑い声が奥から聞こえる
- 白いポロシャツを着た男の姿を目撃する
- 地下のボイラー室で霊が出る
- 中庭の池に幽霊が現れる
である。以下、これらの怪異について記述する。
特別室にまつわる噂が最も有名である。
探索者がスイートルームの窓を覗いた際、明らかに人影が映り込んでいたという報告がある。
建物内部には誰もいないはずであるにも関わらず、影は確かにそこに存在していた。
さらに、その部屋の奥から「フフフ……」という女の笑い声が響いたという。
誰が笑っているのか、なぜ笑うのかは不明であり、想像するほど恐怖が募る。
また、建物内では白いポロシャツを着た男の霊を目撃したという証言もある。
場所ははっきりしないが、不意に視界の端に立っていたという話が複数ある。
さらに、かつて特別室の地下にあったボイラー室も心霊現象の温床とされている。
暗闇の奥で人影が揺らめき、得体の知れぬ気配がまとわりつくというのだ。
中庭に設けられていた小さな池でも、昔から幽霊を見たという話がある。
水面に何かが映るように現れ、ふと視線を上げると誰もいない。
そうした怪異が繰り返し報告されているのである。
ホテル庵治の心霊体験談
かつてホテルを利用していた人物の証言によれば、特別室の地下にあるボイラー室では昔から霊が出ると言われていた。
また、中庭の池についても「普通に幽霊が出る」との噂があり、土地自体に霊が集まりやすい性質があるのではないかと語られている。
別の探索者は、廃墟を訪れた際、特別室の窓に女の姿を見たと証言している。
外から覗いた瞬間、白い顔がカーテンの隙間からこちらを凝視していたという。
次に確認したときには誰もいなかったが、その視線の感覚はずっと残り続け、背筋を凍らせたのである。
ホテル庵治の心霊考察
ホテル庵治に関する心霊現象は、一つの部屋や一点に集中するのではなく、建物全体、さらには敷地全域に広がっている点が特徴である。
特別室、地下ボイラー室、中庭の池といった複数の場所に怪異が存在し、白いポロシャツの男や女の笑い声といった複数の霊的存在が同居している可能性が高い。
また、大量の地蔵が無造作に置かれている点も異様である。
理由は石材店による倉庫利用だと説明されているが、なぜ処分されず今も残されているのかは不可解である。
仮に土地そのものが霊を引き寄せやすい「場」であるならば、地蔵が供養ではなく“封じ”の役割を果たしている可能性すら否定できない。
廃墟と化した今もなお、笑い声や人影の噂が絶えないのは、単なる噂話では済まされない。
ホテル庵治は、人ならざるものが今もそこに留まり続けている、四国屈指の心霊廃墟であると考えられる。
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