和歌山県和歌山市にある廃ホテル「太公望」。かつて観光客で賑わったこの場所は、現在では“見てはいけないものが見える”と囁かれる心霊スポットとなっている。今回は、ホテル太公望にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
ホテル太公望とは?

ホテル太公望は、和歌山市の和歌浦・雑賀崎エリアにかつて存在したホテルである。
建物は新館と旧館に分かれており、新館は1970年前後に建設されたとされる。
アーチ状の建築が印象的で、「月世界大温泉」という浴場施設も存在していた。
2013年3月に一度閉業するが、2017年6月には「四海波 太公望」として再オープン。
しかしその営業も長くは続かず、2020年5月頃には人の気配が消え、最終的に2021年2月までには完全に立ち入り禁止の状態となった。
旧館は昭和初期に建てられた鉄筋コンクリートと木造の混合建築で、1975年頃には使用されなくなっていた。
2013年以降、関係者の破産手続きや相続の放棄により所有者が不明となり、長らく放置されていたが、2023年6月より県や市による解体作業が開始された。
老朽化と治安の問題、さらに同年4月に雑賀崎で起きた岸田首相襲撃事件も影響し、撤去が決定されたとされる。
廃墟としての歴史は浅いが、その裏には誰も語ろうとしない“何か”が潜んでいるという。
ホテル太公望の心霊現象
ホテル太公望にまつわる心霊現象は、
- 屋上に人影が立っているという目撃談
- 夜になると、窓辺に女性の霊が現れる
- 人の気配のない廊下で足音が響く現象
- 取り壊し前、敷地内の車両に不可解な落書きが増えていたという証言
である。以下、これらの怪異について記述する。
屋上の人影
ある者は、深夜に廃墟となった太公望の屋上に、じっと下を見下ろしている「人影」を目撃したという。
その人影は微動だにせず、風に揺れることもなく、ただそこに「いた」。
知人が恐る恐る近づこうとしたその瞬間、ふっと影は掻き消えるように姿を消したという。
女性の霊
窓辺にたたずむ女性の霊もまた、この場所に現れるという。
髪の長い女性がじっと外を見つめているのを見たという声が複数存在し、その霊と目が合った者は数日間高熱にうなされたという怪談もささやかれている。
足音の怪異
廃墟となった今も、夜になると人気のない廊下からコツ…コツ…と乾いた足音が響くという。
この足音は、誰かが歩いているかのように一定のリズムを刻むが、姿は決して確認できない。
録音を試みた者がいたが、異様なノイズしか残らなかったという。
不可解な落書き
解体直前、敷地内の車両に無数の落書きが発見された。
その内容は「来てはならぬ」「見たな」「戻れ」といった警告めいた言葉であった。
これが心霊現象と関係があるのかは定かではないが、霊的な力が強まっていた兆候ではないかとも囁かれている。
ホテル太公望の心霊体験談
ある男性は、夏の夜に太公望を訪れた。軽い気持ちで肝試しのつもりだったという。
しかし屋上を見上げた瞬間、そこに白い服を着た人影が立っているのを目撃した。
同行者も同じものを見たが、スマートフォンを構えた瞬間、影はふっと消えたという。
後日、撮影した写真には何も写っていなかったが、その男性は数日間にわたり悪夢にうなされ、家の中で物音がしたり、視界の端に人影を感じるようになったと語っている。
ホテル太公望の心霊考察
ホテル太公望の心霊現象は、近年の廃墟であるにも関わらず、強い霊的干渉が報告されている点に特徴がある。
旧館には昭和初期の建築が存在し、戦後を生き抜いた多くの人々の記憶が染みついていた可能性が高い。
そうした「記憶」が建物に残留し、霊的な存在として現れているのではないか。
また、近年まで営業していたことにより、人々の感情や未練が濃く残り、それが霊現象のエネルギー源となっているとも考えられる。
屋上の人影や窓辺の女性など、視覚に訴える現象が多い点から、霊が強く「見られること」を求めている可能性がある。
それは助けを求めているのか、あるいは単にそこに「いる」と知らせたいのか。
いずれにせよ、軽い気持ちで近づくべき場所ではないことは確かである。
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