福岡県に存在する犬鳴ダム。心霊スポットとして名高い犬鳴峠や犬鳴トンネルの陰に隠れがちだが、このダムにも数々の不可解な怪異が報告されている。今回は、犬鳴ダムにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
犬鳴ダムとは?

犬鳴ダム(いぬなきダム)は、福岡県宮若市犬鳴に位置する重力式コンクリートダムである。
一級河川・遠賀川水系犬鳴川の最上流に建設され、県が管理する補助多目的ダムである。
洪水調節、上水道・工業用水の供給を目的に、1968年より計画が進められたが、国鉄の福岡トンネル建設に伴う湧水問題が発生し、建設は難航を極めた。
最終的に、トンネルからの漏水をダムに還元するための大規模な対策工事が施され、1994年度に建設が完了。
1997年にはダムが満水に達し、本格運用が開始された。
しかし、この静かな貯水地の底には、かつて犬鳴谷村と呼ばれた集落が沈んでいるという都市伝説が語られている。
消えた村、その名残を湛える湖面は、今日も不気味な静寂を保ち続けている。
犬鳴ダムの心霊現象
犬鳴ダムの心霊現象は、
- 夜中、車の前に突如として女性の霊が現れる
- 急ブレーキをかけた後、姿を消した女性がバックミラー越しに追いかけてくる
- 犬鳴村が沈んでおり、そこから霊が彷徨い出てくるという噂
- 自殺や殺人事件の現場となっており、無念の念が漂う
- 雨の日に限って奇妙な現象が頻発する
- 放置された車両の中に、所有者の行方がわからない例もある
である、以下、これらの怪異について記述する。
まずもっとも恐れられているのが、「女性の霊」である。
深夜1時頃、車でダム周辺を走行していると、突如目の前に白いワンピースの女性が飛び出してくる。
ブレーキを踏み、車を降りて確認すると、そこには誰もいない。
恐怖を抑えて運転を再開すると、背後に気配を感じ、バックミラーを覗くと――その女が、今まさに追いかけてきているのだ。
また、犬鳴ダムの底には「犬鳴村」が沈んでいるという都市伝説がある。
かつて村民が外界との接触を拒み、隔絶された暮らしをしていたとされ、ダム建設と共に歴史から抹消されたとも言われる。
その怨念が、いまなお湖底から浮かび上がってくるというのだ。
現地では過去に多くの事件・事故が発生している。
1991年には、トラック運転手が自責の念に駆られ首吊り自殺を遂げた。
1996年大晦日には夫婦がダムで入水自殺をした。
2000年には、64歳の男性が拉致・監禁され、最終的に遺体はダムに沈められたという。
さらには渇水期に現れる湖底の構造物や、無人で長期間放置された車両など、物理的にも異常な光景が散見される。
雨の日には不可解な現象が多発すると言われており、霊的な何かが呼び水となっているのかもしれない。
犬鳴ダムの心霊体験談
ある体験者は、深夜のドライブ中に犬鳴ダムを訪れた。
そのとき、突如エンジンが停止。
何度試みても再始動せず、不安に駆られて車外に出た途端、背後から「ガサガサ…」という足音が。振り返っても、そこには誰もいなかった。
別の者は、駐車場に放置された車の中をのぞくと、運転席にうっすらと人影のようなものが座っていたという。
その姿は一瞬で消えたが、「何か」がそこに存在したことは疑いようもなかったと語っている。
犬鳴ダムの心霊考察
犬鳴ダムで報告されている心霊現象の多くは、過去の悲惨な事件・事故と密接に関係している。
水辺は霊が集まりやすいとされるが、この地はそれに加えて村の伝承、トンネル建設による水の枯渇、そしてダム底に沈んだ過去が重なる。
また、心霊スポットとして有名な犬鳴トンネルや犬鳴峠の陰に隠れているが、ダム自体もまた、多くの霊的現象の発生源とされており、近年その存在が改めて注目されている。
「何かがいる」と言われるこの場所には、科学では説明のつかない異変が確かにある。
犬鳴ダムは単なる人工湖ではなく、時として過去からの“叫び”が聞こえる場所なのかもしれない。
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