福岡県に流れる犬鳴川には、耳を疑うような数々の心霊体験が囁かれている。今回は、犬鳴川にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
犬鳴川とは?

犬鳴川(いぬなきがわ)は、福岡県宮若市から直方市へと流れる遠賀川水系の一級河川である。
源流は宮若市と古賀市の境に位置する西山に発し、犬鳴ダムを経て、黒丸川、山口川、有木川、倉久川、八木山川など複数の支流と合流しながら直方市植木で遠賀川へと注ぐ。
この川は自然豊かで、上流にはスギやヒノキが植林され、下流にかけてはシイ、カシ、コナラの自然林も混じる。
脇田温泉などの観光地や犬鳴川河川公園など、整備された施設も多く、夏場には川遊びを楽しむ家族連れの姿も見られる。
しかしその一方で、犬鳴川周辺は古くから「死者の魂が渡る川」として知られ、人知れず命を落とした者の怨念が集まる場所とも言われている。
特に犬鳴ダム周辺では異変の報告が相次ぎ、川の名は福岡の心霊スポットの中でも異様な存在感を放っている。
犬鳴川の心霊現象
犬鳴川の心霊現象は、
- 少女の霊が現れる
- ダム周辺で女性の霊が警告を発する
- 小学生3人の溺死事故との関連性
- 犬鳴峠や犬鳴トンネルで死んだ者が霊となり川を渡るという話
- 霊の渡河を妨げた者が祟りに遭うという噂
である。以下、これらの怪異について記述する。
少女の霊が現れる
夜になると、川辺に白いワンピースを着た少女の霊が現れるという目撃談が相次いでいる。
濃い霧が立ち込める中、川面を静かに歩くその姿を見た者は、決して声をかけてはならない。
目が合った瞬間、強い寒気と共に「水の底に引きずり込まれるような感覚」に襲われると証言する者もいる。
女性の霊が警告を発する
犬鳴ダムに関する投稿の返信欄には、「ダムへ近づくな」という警告が書き込まれることがある。
それだけでなく、SNSや掲示板では女性の霊が現れて直接忠告してくる体験談も存在する。
姿なき霊が耳元で囁く「ここは来てはいけない」という言葉は、次に何が起きるかを暗示しているかのようである。
小学生3人の溺死と霊の関与
2023年7月、犬鳴川で小学生の女子児童3人が溺死するという痛ましい事故が発生した。
現場は水深3メートルにもなる危険な地点であり、当時の天候や川の流れに異常は見られなかった。
事故の直後、現場周辺では不審な物音や人の気配を感じたという証言が寄せられている。
女性の霊が関与していた可能性については未だ明らかになっていないが、その疑念は人々の間でじわじわと広がりつつある。
犬鳴トンネル・峠で死んだ者が川を渡る
犬鳴トンネルや犬鳴峠(かつて存在したとされる犬鳴村)で命を落とした者たちの霊は、死後、犬鳴川を渡るという言い伝えがある。
その霊の通り道を阻むと、霊は怒り、祟りをもって妨害者を連れ去るという。
無念と怨念を抱いた魂が川を彷徨い、渡ることを阻まれると激しく暴れ出すとも言われる。
こうした川は「心霊川」とも呼ばれ、各地に存在するが、犬鳴川はその中でも特に霊的活動が活発な場所とされている。
犬鳴川の心霊体験談
ある夜、友人と犬鳴川を訪れた男性がいた。
深夜2時、月明かりの下で川の音だけが響く中、突然、女性の泣き声のようなものが聞こえてきたという。
辺りを見回しても誰の姿もない。
だが次の瞬間、友人が「足が掴まれた」と叫び、そのまま倒れ込んだ。水辺を覗き込むと、白い手が水中から浮かび上がったという。
恐怖のあまり彼らはすぐにその場を離れたが、後日、撮影していたスマートフォンには、誰もいないはずの川辺に、こちらを睨みつける女性の姿が映り込んでいたという。
犬鳴川の心霊考察
犬鳴川における心霊現象は、偶然とは思えない一致と不可解な体験が複雑に絡み合っている。
特に犬鳴ダムや峠で発生した数多くの死と、その後に報告される霊の目撃情報は、単なる迷信とは片付けられないほどの説得力を持つ。
少女や女性の霊は、この地に取り残された無念の象徴とも言えよう。
また、川という存在自体が「魂の通り道」として古来からの信仰対象であり、死者の霊が水辺に集うという考え方は、日本各地に存在する。
犬鳴川はそうした伝承の現代的な具現化であり、霊的なエネルギーが集中する異界との接点なのかもしれない。
犬鳴川には、軽い気持ちで近づいてはならない「何か」が確かに存在する。
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