徳島県の秘境に架かる吊橋「祖谷のかずら橋」は、日本三奇橋のひとつとして知られる観光名所である一方、幼い子供の転落死亡事故や観光客の行方不明、さらに心霊写真の噂など、不気味な怪異が語り継がれる場所でもある。今回は、祖谷のかずら橋にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
祖谷のかずら橋とは?

祖谷のかずら橋は、徳島県三好市西祖谷山村善徳に存在する、日本三奇橋のひとつである。
長さ約45メートル、幅2メートル、谷底からの高さはおよそ14メートル。
サルナシなどの葛類で編まれた原始的な吊橋で、床面には隙間が多く、下を覗けば清流がはっきりと見える構造となっている。
渡る者の足元は常に揺れ、橋板のきしむ音とともに、谷底から吹き上げる風が全身を包む。
その起源には諸説あり、弘法大師空海が困窮する村人のために架けたという説や、平家の落人が追手から逃れるため、切り落とせる橋として作ったという伝承も残されている。
現在はワイヤーで補強されているが、かつての危険な姿を想起させる景観は今も健在である。
祖谷のかずら橋の心霊現象
祖谷のかずら橋の心霊現象は、
- 幼い子供が転落して亡くなったという事故の霊が現れる
- 観光客が行方不明になったという噂があり、その霊が橋に現れる
- 橋の中央付近で心霊写真が撮れてしまう
- 渡っている最中、背後から足音が聞こえるが誰もいない
である。以下、これらの怪異について記述する。
最も古い記録では、1646年に既にこの地にかずら橋が7つ存在していたとされる。
現在残る橋は観光用に整備されているが、それでも油断は禁物である。
橋の隙間から見える川面は美しく澄んでいるが、その深さと高さが、転落すれば助からないことを容易に想像させる。
特に霧の深い朝や日没間際には、橋の中央で足元が揺らぎ、何者かに引き寄せられるような感覚に襲われることがあるという。
地元の人間は、日が落ちてから一人で渡ることを避けており、理由を尋ねても口を濁すことが多い。
祖谷のかずら橋の心霊体験談
ある男性観光客は、昼間に友人と橋を渡っていた最中、背後から小さな足音と笑い声を聞いたという。
振り返ったが、そこには誰もいなかった。同行者も同じ音を聞いており、二人は慌てて橋を渡りきった。
後日、撮影した写真を確認すると、橋の中央部分に、橋板の隙間から覗き込むように白い顔が写っていた。
また別の女性は、夜間ツアーでライトアップされた橋を渡った際、真横から自分の名前を呼ぶ声を聞き、足を踏み外しそうになったという。
声の主は友人かと思ったが、友人は誰一人その場で声を発していなかった。
祖谷のかずら橋の心霊考察
事故や行方不明事件の記録は公には多く残されていないものの、地元では古くから「この橋は呼ぶ」と言われてきた。
転落死した子供の霊や、観光中に姿を消した者の魂が、渡る人間を谷底へ誘うと信じられている。
特に中央付近は霊的な気配が濃いとされ、霊感を持つ者は近づくと頭痛や吐き気を覚えることがあるという。
観光客の撮影した写真に映り込む白い影は偶然ではなく、ここに留まり続ける霊が存在を示している可能性がある。
祖谷のかずら橋は、美しい景観の裏に、古くからの死と怨念が刻まれた場所である。
軽い気持ちで渡れば、二度と元の岸へ戻れないかもしれない。
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