地蔵坂には、数多くの地蔵が並び、その静寂な雰囲気とは裏腹に不審な事故が頻発している。夜になると、白い人影や人魂が目撃されることがあり、墓地から霊が憑いてくるとも囁かれている。今回は、地蔵坂にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
地蔵坂とは?

兵庫県西宮市の甲山太師道にある長い坂道「地蔵坂」。
この坂の脇には無数の地蔵が並び、近くには神呪寺(かんのうじ)や甲山墓地がある。
昔から事故が多発しており、地蔵が何か関係しているのではないかと噂されてきた。
また、この坂を越えた先には北山貯水池や甲山湿原、さらに「お化け岩」と呼ばれる奇妙な岩も存在する。
歴史をさかのぼると、戦国時代には甲山周辺で織田信長の軍勢と僧兵が戦い、最後まで抵抗した農民たちの砦が築かれていたという。
この地には、無念の想いを抱いたまま亡くなった者たちの怨念が今も残っているのかもしれない。
地蔵坂の心霊現象
地蔵坂の心霊現象は、
- 墓地からついてきた霊が事故を引き起こす
- 事故車の屋根の上に白い人影や青白い人魂が現れる
- 地蔵の目が赤く光る
- 夜間にうめき声が聞こえる
- 突然ブレーキが効かなくなる
である。以下、これらの怪異について記述する。
墓地からついてきた霊が事故を引き起こす
地蔵坂へ向かう道には「西宮市立霊園甲山墓園」があり、そこを通ると霊が取り憑くという話がある。
実際に事故を起こした車の後続車のドライバーが、事故車の屋根の上に白い人影や青白い人魂を目撃することがあるという。
霊に憑かれた車は、まるで何かに導かれるように坂で制御を失い、カーブを曲がりきれずに事故を起こすのだ。
地蔵の目が赤く光る
地蔵坂の脇に並ぶ地蔵の中には、夜になると目が赤く光るものがあるという。
これは単なる光の反射ではなく、何かを警告しているとも考えられている。
過去に、この地蔵が光った夜に事故を免れたドライバーもいることから、地蔵が危険を知らせているのではないかという説もある。
夜間にうめき声が聞こえる
地蔵坂を深夜に訪れると、どこからともなく「うぅ…」「助けて…」といった声が聞こえることがある。
これは、過去に事故で亡くなった者の怨念が残っているのではないかと考えられている。
突然ブレーキが効かなくなる
地蔵坂のカーブでは、急にブレーキが効かなくなる現象が報告されている。
まるで何かが坂を下る車を押し出しているかのように、速度が落ちずにそのまま突っ込んでしまうことがあるという。
地蔵坂の心霊体験談
「地蔵の目が赤く光った夜」
30年ほど前の真冬、大雪の日のこと。免許を取ったばかりの若者が、彼女を乗せて六甲山へドライブに出かけた。
地蔵坂を通ると、並ぶ地蔵の目が赤く光り始めた。
恐怖を感じた彼は、急遽進路を変えて下山。
その後、事故なく帰宅したが、後になって考えてみると、そのまま山を登っていたら雪道で事故を起こしていた可能性が高いと気づいた。
数年後、改めて地蔵を確認したが、光る仕組みなどは一切なかったという。
「ブレーキが効かない恐怖」
あるドライバーが深夜に地蔵坂を走っていた時のこと。
カーブに差し掛かると、突然ブレーキがまったく効かなくなり、ハンドルも重くなった。
焦った彼は、何とかギアを落としながら坂を下ったが、後ろを振り向いた瞬間、白い影のようなものが見えたという。
翌日、同じ場所で事故が起きており、その原因は「ブレーキの故障」だったそうだ。
地蔵坂の心霊考察
地蔵坂では、地蔵が霊を鎮めていると考えられている一方で、「地蔵が事故を招く」という説もある。
しかし、地蔵は元々、事故で亡くなった魂を弔うために建てられたものであり、その存在自体が祟るというよりは、周囲の霊的な影響を受けている可能性が高い。
また、事故が多発する原因としては、以下の点が考えられる。
- 急カーブが多く、スピードを出しすぎると制御を失いやすい
- 近くの墓地から霊がついてきて、運転を妨げる
- 事故の多い場所に霊が集まり、さらなる事故を引き起こす負の連鎖
もし地蔵坂を通ることがあれば、十分に注意を払うべきだろう。
そして、地蔵が何か異変を示している場合は、無理に進まず引き返すのが賢明かもしれない。
地蔵坂では、今もなお霊の目撃情報が後を絶たない。
深夜に訪れる際は、細心の注意を払い、何か異変を感じたらすぐに引き返すべきだろう。
地蔵が守り神なのか、はたまた恐怖の象徴なのか――それは、あなた自身の目で確かめるしかない。
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