福岡県宗像市の神湊ビーチホテルには、かつて廃墟となった時期に多くの心霊現象が報告され、「肝試しスポット」として知られていた歴史がある。現在は改装されて別ホテルとして営業しているが、かつてその場所で囁かれた数々の怪異の記憶は、今なお人々の間で語り継がれている。今回は、神湊ビーチホテルにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
神湊ビーチホテルとは?

神湊ビーチホテル(こうのみなとビーチホテル)は、福岡県宗像市神湊に位置していたビーチリゾートホテルである。
神湊漁港や勝浦浜にほど近く、3~5階建ての大規模な構造を持ち、結婚式場や100台規模の駐車場を完備していた。
建物の起源は1975年以前と見られ、1980年代には現在の形に増築されたとされる。
1990年代にはリゾートホテルとして機能していたが、2009年頃に閉業。
その後、建物は放置され、朽ち始めるとともに“心霊スポット”として地元で噂されるようになった。
2016年にはインターネット上で心霊スポットとして広まり、2018年には入り口にバリケードが設置された。
そして2021年11月3日未明、ホテル4階で原因不明の不審火が発生。
約48平方メートルが焼失した。
以降、完全な廃墟となり、恐怖の対象として語られていた。
その後、2022年に改装工事が行われ、現在は「宗像リゾートホテル」として再出発しているが、かつてこの地に巣食っていた“何か”が消えたとは誰も言い切れない。
神湊ビーチホテルの心霊現象
神湊ビーチホテルの心霊現象は、
- 正体不明の霊の目撃
- 廃墟内で動く人影
- 勝手に作動するエレベーターや電話
- 存在しないはずの部屋や奇怪な映像の出現
- 4階の「人形部屋」での怪異
- 不審火の発生
である。以下、これらの怪異について記述する。
廃業後の神湊ビーチホテルでは、誰もいないはずの建物内で「誰かが歩いているような足音」や「視線を感じる」といった体験が後を絶たなかった。
中でも最も異様な現象が集中していたのが4階である。
4階には、朽ちたベッドや家具が散乱する一室に人形が放置されていた。
その部屋では、「人形が勝手に動いた」「カメラを向けるとノイズが走る」「誰もいないはずの空間に小さな子供の声が響く」といった証言が複数存在する。
さらに、ホテル内線の電話で友人と遊んでいたところ、声が次第に高くなり、最後には女性とも男ともつかぬ奇妙な声に変わったという体験談もある。
誰もかけていないはずの内線が何度も鳴り、受話器を取ると無音の中にかすかなうめき声だけが聞こえたという。
また、廊下の防犯カメラの映像が突然カラーに変化したり、存在しないはずの“部屋番号”の部屋を見つけたという報告もあった。
中でも衝撃的なのは、部屋の入り口をiPhoneで撮影した際に、まるでレントゲンのような鎖骨の画像が浮かび上がったという現象である。
これらの怪異は、ホテルが営業していた当時から一部の従業員や宿泊者によっても語られていたという。
神湊ビーチホテルの心霊体験談
「中学生の頃、部活の遠征で宿泊した。当時は営業中だったが、夜になるとエレベーターが何度も4階で勝手に止まった。4階は誰も泊まっておらず、ドアが開いても誰もいない。内線で友達とふざけていたら、声が途中で変わり、話した記憶のない内容が録音されていた。朝になると、確かに昨夜入った部屋が“なかった”ことになっていた」
このような体験は一度だけではない。複数の利用者が同様の証言を残している。
とくに“4階”に関する異常が多発している点が、通常の老朽化とは明らかに異なる。
神湊ビーチホテルの心霊考察
神湊ビーチホテルにまつわる心霊現象は、「強い念」の残留によるものと考えられる。
人形が置かれた部屋に集中して怪異が発生していることから、何かしらの儀式的要素、もしくはその人形に宿った“念”が存在していた可能性がある。
また、不審火が発生した部屋も4階に位置しており、過去に語られた怪現象の多くもこの階で集中している。
火災は物理的現象であるが、その引き金が霊的な干渉であったとしたら…という考えを完全に否定できる材料は存在しない。
現在はリゾートホテルとして生まれ変わったこの場所だが、かつて“そこ”に確かに存在していた「何か」は、本当にいなくなったのだろうか。
目に見えぬ存在が今もなお、この地に留まり、静かに来訪者を見つめているのかもしれない。
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