香川県坂出市に存在した金山病院は、結核病棟として開院し、多くの患者が最期を迎えた場所である。今回は、金山病院(跡地)にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
金山病院(跡地)とは?
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金山病院は香川県坂出市に存在した病院である。
1951(昭和26)年、「結核予防法」の制定に伴い、結核病棟として開院した。
当時、結核は「国民病」と呼ばれるほど猛威をふるい、多くの人々の命を奪った。
そのため、金山病院には長らく死と病が染みついていたと言える。
2003(平成15)年頃に閉院し、その後は廃墟となり、県内屈指の心霊スポットとして知られるようになった。
2013年頃に解体されたが、跡地は墓地および駐車場となっており、現在もなお心霊の噂が絶えない場所である。
金山病院(跡地)の心霊現象
金山病院(跡地)の心霊現象は、
- 病院からカルテを持ち出すと「返せ」と霊から電話がかかってくる
- カルテを持ち帰った者の家にまで霊が現れ、取り返しに来る
- 院内で女性、老人、子どもの笑い声が聞こえる
- 血の飛び散った本が残されていた
- 病院前のカーブミラーに人ならざる影が映り込む
- 下半身だけの女の霊が現れる
である。以下、これらの怪異について記述する。
この病院には「カルテにまつわる怪異」が最も有名である。
院内に残された患者のカルテを持ち出すと、その人物のもとに見知らぬ番号から電話がかかり、受話器の向こうから「カルテを返せ」という低い声が響いたとされる。
電話だけでなく、深夜に自宅の玄関を叩く音がし、ドアを開けると誰もいない。
しかし、その後、部屋の中にまで冷たい気配が忍び寄ったという。
また、院内では複数の声が聞こえると噂された。子どもの甲高い笑い声、老婆のうめき声、女性のすすり泣きが同時に重なり合い、廃墟の暗闇をさまよっていたのである。
さらに「血で染まった本」が見つかったとされ、そのページには人の顔のような赤黒い染みが浮かび上がっていたという。
病院前に設置されていたカーブミラーも恐怖の対象であった。
夜間にのぞき込むと、自分の背後に立つはずのない白い影が映り込む。
その影はじっとこちらを見つめ、振り返っても何もいないが、鏡の中には確かに存在していたという。
中でも恐れられたのが「下半身だけの女の霊」である。
廊下を這うようにして現れ、足音もなく人の気配にまとわりつくという証言がある。
これはかつて病棟で亡くなった患者の強烈な怨念が形を変えたものと考えられている。
金山病院(跡地)の心霊体験談
跡地を訪れた者の中には、今もなお異変を体験したという声がある。
駐車場に変わった現在でも、夜に車を停めていると「窓を叩く音がする」「バックミラーに白い顔が映る」などの報告がある。
また、病院の解体現場を撮影した写真には、無数の光の球(オーブ)が取り囲むように写り込んでいたという。
これは単なる埃ではなく、かつて結核で亡くなった患者の魂が群れをなして現れたものではないかと恐れられている。
金山病院(跡地)の心霊考察
金山病院は、結核患者を隔離するために建てられた病棟であった。ここでは数え切れない命が静かに絶たれ、怨嗟と苦痛の声が渦巻いていたに違いない。
院内に残された物品、とりわけ「カルテ」は患者の人生そのものであり、それを軽率に持ち出す行為が霊の怒りを買ったと考えられる。
また、病院の隣接地が墓地であることも、霊が集まりやすい要因であろう。
解体され建物が消えた後も、墓地と病院跡が重なり合う土地は、なお霊的な瘴気を放っている。
坂出の「廃病院」として恐れられた金山病院は、建物が失われてもなお、死と怨念の記憶が消えることはない。
むしろ跡地が墓地へと転用されたことで、病院に取り憑いていた霊と墓地の霊が交錯し、より一層凄惨な気配を漂わせているのである。
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