小鳴門人道トンネルは、徳島県鳴門市にある歩行者専用の古い隧道で、昼間は観光客も通る穏やかな道であるが、夜になると空気が一変し、不気味な足音や声、そして女性の霊が現れるという。今回は、小鳴門人道トンネルにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
小鳴門人道トンネルとは?

小鳴門人道トンネルは、徳島県鳴門市土佐泊浦に位置する歩行者専用の古い隧道である。
隣には小鳴門隧道があり、そのすぐ脇には民家が並んでいる。
昭和52年3月に施工され、昼間は観光客が鳴門公園へ向かう近道として利用する人も多い。
しかし、夜になるとその空気は一変し、暗く湿った通路に重苦しい気配が満ちることで知られている。
路肩は狭く、車道との距離も近いため、夜間の通行は不安を誘う環境である。
小鳴門人道トンネルの心霊現象
小鳴門人道トンネルの心霊現象は、
- 女性の霊が現れる
- 足音が聞こえる
- 声が聞こえる
である。以下、これらの怪異について記述する。
トンネルの中に入ると、自分たち以外の足音が背後から近づいてくるのに、振り返っても誰もいないという体験談が数多く寄せられている。
その足音は時に、真後ろまで迫ったかと思うと、突然すり抜けるように前方へ駆け抜けていくという。
まるで見えない存在が、通行人を追い越していくかのようである。
また、暗がりの中でライトを向けた瞬間、女性の霊がふっと浮かび上がる映像が出回っている。
髪が濡れたように見えるその姿は、無言で立ち尽くしており、直視する者の背筋を凍らせる。
さらに、誰もいないはずの空間から、か細い女性の声が聞こえてくることもある。
その声は呼びかけるようでもあり、泣き声のようでもあるという。
公式の事故記録は残されていないが、地元では昔から「このトンネルでは振り向くな」と忠告される。
振り返った瞬間、背後に“何か”が立っていると信じられているからである。
小鳴門人道トンネルの心霊体験談
ある深夜、心霊スポット巡りをしていた二人組が、小鳴門人道トンネルを徒歩で通り抜けた際のことである。
半ばを過ぎた頃、背後からコツ…コツ…と硬い靴音が響いてきた。
振り返ってもそこには誰もおらず、ただ闇が口を開けているだけだったという。
恐怖を堪え前進すると、その足音は次第に早まり、やがて二人の横を駆け抜けるように消えた。
その直後、耳元で女性の囁き声がした瞬間、二人は悲鳴を上げて走り出し、一往復の予定を断念して現場を後にした。
小鳴門人道トンネルの心霊考察
小鳴門人道トンネルに現れる女性の霊は、事故や事件の記録がないにもかかわらず、多くの目撃談が存在する。
このことから、霊の正体は地元で伝承される“振り向かせる存在”である可能性が高い。
足音や声は、その存在が生者に接近し、意識を背後へと向けさせるための仕掛けとも考えられる。
また、隣接する車道トンネルや周囲の民家との距離が近いことも、霊的な“境界”を形成しているのかもしれない。
日中は人の気配で満ちているが、夜になるとその境界が崩れ、異界の住人が現世に入り込みやすくなるのではないかと推測できる。
小鳴門人道トンネルは、外見こそ短い歩道隧道に過ぎないが、夜間には足音と声に満ちた異質な空間へと変貌する場所である。
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