香川県高松市木太町にある小村田之助処刑場は、江戸時代に庄屋・小村田之助が無念の最期を遂げた場所である。年貢の軽減を直訴した若き義民は処刑を宣告され、赦免の知らせが届いたにもかかわらず誤解により首を落とされた。その悲劇は今も語り継がれ、処刑場跡や白旗神社では「悪寒」「すすり泣き」「首のない影」といった怪異が報告されている。今回は、小村田之助処刑場にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
小村田之助処刑場とは?

香川県高松市木太町に位置する「小村田之助処刑場」は、江戸時代に讃岐国の庄屋であった小村田之助が斬首刑に処された場所である。
周囲は現在、住宅地や畑が広がり一見穏やかであるが、夜になると重苦しい空気に包まれ、通りかかる者の多くが背筋に冷たい悪寒を覚えるという。
小村田之助は寛永元年(1624年)に生まれ、19歳で庄屋を継いだ。
大干ばつによって飢えに苦しむ村人を救うため、年貢の分納を高松藩に直訴したが、農民による直訴は死罪に値するとされ、21歳の若さで斬首された。
処刑の際には赦免の急使が白旗を振って中止を知らせたものの、役人が「急げ」の合図と誤解し、そのまま首を落としたと伝わる。
この悲劇は今もなお土地に刻まれ、白旗神社として祀られている。
小村田之助処刑場の心霊現象
小村田之助処刑場の心霊現象は、
- 夜に近づくと強烈な悪寒に襲われる
- 石碑や処刑場跡で、首のない人影が目撃される
- 誰もいないのに声が聞こえる
である。以下、これらの怪異について述べる。
まず、処刑場跡に立つ石碑の前では、深夜になると背後に人の気配を感じるという証言がある。
特に「首筋に触れられるような冷気」に襲われることが多く、田之助の斬首が繰り返されているかのような錯覚を覚える者もいる。
また、石碑や周辺の道では「首のない人影」の目撃談が一部であるという。
街灯に照らされながらも顔がなく、ただ立ち尽くしているその影は、振り返った瞬間に霧のように消えるとされる。
さらに、夜の白旗神社付近では「低い声」や「すすり泣き」が聞こえるという。
特に処刑日とされる4月24日には証言が多く、風の音に混じりながらはっきりと人の嘆きが聞こえると語る者がいる。
小村田之助処刑場の心霊体験談
ある地元住民は、深夜に処刑場跡を訪れた際、突如として氷のような冷気に包まれた。
恐怖に駆られて振り返ると、街灯の下に首のない人影が立っており、そのまま数秒で霧のように消え去ったという。
小村田之助処刑場の心霊考察
小村田之助処刑場に残る怪異は、若き義民が命を絶たれた無念と、それを悼む村人の悲嘆が重なり合って生じたものと考えられる。
特に「首のない人影」は処刑の瞬間を永遠に繰り返す田之助の魂の表れとも取れる。
また「声が聞こえる」という現象は、赦免が届いたにもかかわらず救われなかったその悲劇を、今も誰かに訴え続けているのかもしれない。
この地を訪れると、単なる心霊スポットという以上に「人の情念」が土地に深く刻まれていることを実感するだろう。
田之助の死が生み出した霊的残響は、今もなお夜の木太町に漂い続けているのである。
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