徳島市紺屋町の地下に広がる紺屋町地下駐車場は、太平洋戦争末期の徳島大空襲で多くの遺体が一時的に収容されたと伝えられる場所である。今回は、紺屋町地下駐車場にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
紺屋町地下駐車場とは?

紺屋町地下駐車場は、徳島市紺屋町に位置する市営の地下駐車施設である。
駐車台数は287台、24時間営業であり、阿波おどり期間中には一部時間帯で入場制限が行われる。
周辺は秋田町や栄町といった繁華街が近く、イベントや買い物の拠点として多く利用されている。
しかし、この場所はかつて徳島大空襲の際、大量の遺体が一時的に収容された地であると伝えられている。
終戦間際の1945年7月4日未明、米軍B-29による無差別爆撃が徳島市を襲い、約1,000人の命が一夜にして奪われた。
市街地の焼け跡には身元不明の遺体が山積みとなり、その一部がこの地下施設の敷地に集められたとされる。
以来、この場所には戦争で命を落とした者たちの怨念が留まり続けているという。
紺屋町地下駐車場の心霊現象
紺屋町地下駐車場の心霊現象は、
- 地下に入ると突然、強い息苦しさに襲われる
- 背後から足音が迫るが、振り返ると誰もいない
- 車内にいると窓の外から覗き込む顔が見える
- 無人のはずの駐車フロアで女性のすすり泣きが響く
である。以下、これらの怪異について記述する。
最も多く報告されているのは、地下へ降りた瞬間に感じる圧迫感と息苦しさである。
特に夏場の湿気の多い時期にそれは顕著となり、まるで何十もの視線が背後から突き刺さるかのような感覚に襲われるという。
また、夜間に駐車場を利用した者の中には、無人の通路で足音が響き、振り返った瞬間に気配が消えたという証言が複数存在する。
さらに、一部では車内で待機中に窓の外から覗く青白い顔を目撃したという報告もある。
後に防犯カメラ映像を確認しても、そこには誰の姿も映っていなかった。
他にも、地下2階付近で女性のすすり泣きが微かに聞こえ、それが次第に耳元で囁くような声に変わるという事例も伝えられている。
紺屋町地下駐車場の心霊体験談
ある利用者は深夜、地下2階に車を停めて荷物を整理していたところ、背後から「助けて…」というか細い声を聞いたという。
振り向いた先には誰もおらず、周囲は静まり返っていた。
しかしその直後、背後の車両のドアが勝手に開き、内部のシートが何者かに押し潰されたように沈んでいたと証言している。
彼は恐怖のあまり荷物を投げ出し、急いで地上へ逃げたが、その間も耳元で女性のすすり泣きが追いかけてきたという。
紺屋町地下駐車場の心霊考察
これらの現象は、徳島大空襲で命を落とした無数の人々の怨念によるものである可能性が高い。
大量の遺体が一時的に集められたという歴史的背景は、現代の利用者が体験する不可解な現象と無関係ではないだろう。
息苦しさや足音、すすり泣きといった現象は、戦火の中で最後の瞬間を迎えた人々の記憶が、場所そのものに刻み込まれた「残響」のように感じられる。
この場所を訪れる際は、ただの駐車施設という認識ではなく、戦争の悲劇と深い闇を抱えた“記憶の地下”であることを忘れてはならない。
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