熊本県熊本市南区にある「メリ穴公園」には、かねてより「正体不明の霊が現れる」といった不穏な噂が絶えない。古代から水神を祀る神聖な地であると同時に、戦時中には防空壕として使われたとも言われ、その歴史の重みと奇妙な雰囲気が心霊のウワサを呼んでいるという。今回は、メリ穴公園にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
メリ穴公園とは?

メリ穴公園は熊本市南区城南町に位置する自然豊かな公園である。
公園の中心には、「メリ穴」と呼ばれる洞窟が存在する。
これは約9万年前の阿蘇山の火山活動によって堆積した火砕流が、長年にわたって湧水により侵食されたことにより形成された自然洞穴である。
洞窟の天井付近からは現在でも清水が勢いよく湧き出ており、かつてこの地の住民は水の神を祀り「参り穴」と呼んで信仰していた。
その呼び名が訛って「メリ穴」となったとされている。
また、戦時中にはこの洞窟が防空壕として使用されたという話もあり、神聖さとともに戦争の記憶を残す場所としての一面も持っている。
周囲には塚原古墳群や尾窪横穴墓群など、古代の遺跡が点在しており、歴史的にも重要な土地であるが、現在では「心霊スポット」としての一面でも知られている。
メリ穴公園の心霊現象
メリ穴公園の心霊現象は、
- 正体不明の霊が出る
- 背中に寒気と虫酸が走る
- 洞穴内部で水音が響くが、姿の見えぬ気配が迫る
- 立ち入り禁止区域に足を踏み入れようとすると、妙な幻聴に襲われる
- トイレにて異様な遺留品が発見される(エロ本・パンストなど)
である。以下、これらの怪異について記述する。
正体不明の霊が出るという話は、ネット上でも「出る!」とだけ強調されており、具体的な姿や性質は不明のままである。
それがかえって不気味さを際立たせており、想像力を掻き立てられる。
特定の霊ではなく、何か得体の知れない「何か」が存在しているという印象を受ける。
訪れた者の多くが背中に虫酸が走るような感覚や、理由のない悪寒に襲われたと証言している。
これは単なる気温の低さや自然現象では説明しきれない、空気の異様な重さとして感じられるという。
洞穴内部では、天井から落ちる水の音が絶えず響くが、時折その音に混じって、誰かの足音のような不自然な反響が混ざることがあるという。
だが中を照らしても、誰の姿も見えず、気配だけが近づいてくるような錯覚に陥るらしい。
現在は崩落の危険性から立ち入りが禁止されているが、それにもかかわらず中に入ろうとする者もいる。
そうした者の中には、「中から呼ばれた気がした」「誰かが話しかけてきたように聞こえた」といった不可解な体験を語る者も存在する。
さらに、敷地内のトイレでは、なぜかエロ本と脱ぎ捨てられたパンストが発見されたという。
この組み合わせは単なるゴミとは思えず、何か異様な雰囲気を漂わせていたという証言が残っている。
メリ穴公園の心霊体験談
ある探索者は、インターネットの書き込みをきっかけにメリ穴公園に興味を持ち、実際に訪問したという。
現地にたどり着くまでに3時間以上も要し、ようやく現場に到着。
入口にはロープが張られていたが、敷地は私有地ではなく公園として扱われていたため、意を決して中へと足を踏み入れた。
洞穴の中は、熊本地震の影響で崩落が多く、奥は真っ暗であったという。
装備がなかったため深部への探索は断念したが、5メートルほど進んだ地点で背後からふと視線を感じたという。
そのとき、誰もいないはずの背後から「気をつけろ」という声が耳元で囁かれ、慌てて外へ飛び出した。
トイレを使用した際には、不自然に置かれたエロ本とパンストに遭遇し、そこでも背中に冷たい汗が流れるような感覚を味わったと語っている。
探索中は常に誰かに見られているような圧を感じ、「心霊スポット」というよりは「異界に迷い込んだような場所」だと振り返っている。
メリ穴公園の心霊考察
メリ穴公園における心霊現象は、明確な姿や声の記録が少ない一方で、「気配」「悪寒」「幻聴」など、五感に訴えかける現象が多いのが特徴である。
これは、明確な霊の存在というよりも、土地そのものに染みついた記憶や想念が空間に影響を与えている可能性を示唆している。
メリ穴は水神を祀る神聖な地でありながら、戦時中には防空壕として使われ、死の恐怖が刻まれた場所でもある。
さらに、古代の墓群が点在しており、生と死、神聖と穢れが交錯する土地である。
そのため、場所自体が霊的に「開かれた」状態にあると考えられる。
また、「夕方鶏を洞穴に入れると、翌朝には10km離れた轟水源で鳴いた」という伝説は、時空を超えた移動や異界との接触を連想させ、まるで別次元へつながる口を示しているかのようである。
このように、メリ穴公園は単なる心霊スポットではなく、古代から続く信仰と死の記憶が層となって積み重なり、「見えない何か」を生み出してしまった、いわば霊的な結節点のような存在であるといえる。
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