山口県山陽小野田市にある本山岬公園には、かつて炭鉱事故によって多くの命が失われたという凄惨な過去が存在する。現在では穏やかな自然公園として知られているが、夜間になると不気味な発光体や霊の目撃談が後を絶たない。今回は、本山岬公園にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
本山岬公園とは?

山口県山陽小野田市に位置する本山岬公園は、周防灘に突き出すように海に面した市の最南端にある自然公園である。
海岸線には数億年の歳月をかけて形成された奇岩が立ち並び、干潮時のみ姿を現す「くぐり岩」など、幻想的で静謐な景観が広がっている。
だが、この岬の地にはかつて炭鉱が存在し、明治から昭和期にかけて稼働していた。
炭鉱は一時的な繁栄をもたらしたが、ある日、突如として発生した崩落事故により97名もの作業員が命を落とす大惨事が起こった。
犠牲者の多くは坑内に取り残され、岬の下の海底に沈んだまま今なお眠り続けているという。
現在では炭鉱跡の一部が閉鎖されたまま住宅地の奥に残されており、山陽小野田市の指定文化財として登録されている。
さらに、岬に隣接する竜王山には巨大な「ハマセンダン」の木と、忘れ去られた神社跡、本山岬炭鉱事故の慰霊碑が人目を忍ぶように佇んでいる。
地元民にとっては静かな憩いの場とされるが、夜間にその地を訪れる者はほとんどいない。
岬を包む潮風には、未だ彷徨い続ける者たちの声が混じっているという。
本山岬公園の心霊現象
本山岬公園の心霊現象は、
- 海上に謎の発光体が浮かび上がる
- 汚れた服の男性の霊が現れ、言葉を発する
- 炭鉱跡地周辺で人の気配や視線を感じる
- 竜王山の神社跡で耳鳴りや眩暈に襲われる
である。以下、これらの怪異について記述する。
海上で目撃される発光体は、波の揺らぎに合わせてゆらゆらと移動し、まるで誰かが水中から手招きしているかのような動きを見せる。
夜釣りの最中にこの光を見た者の中には、帰路で車の不調を訴えたり、謎の頭痛に悩まされたという証言もある。
汚れた作業服を着た男の霊が突如現れ、無表情のまま「ここを知らんのか」と話しかけてきたという話が複数報告されている。
話しかけられた人物がその場から逃げようとした瞬間、霊の姿は波間に溶けるように消えたという。
炭鉱跡地周辺では人の気配を感じる現象が頻発している。
誰もいないはずの茂みから足音が聞こえ、カメラやスマートフォンが急に故障することもある。
廃墟の入口には立ち入り禁止の柵が設けられているが、夜になるとその付近に青白い光が灯ることがあると地元では囁かれている。
竜王山の神社跡では、慰霊碑の前に立った瞬間、強烈な耳鳴りや吐き気に襲われる者が後を絶たない。
特に夏場の夕暮れ時、空気が湿り気を帯びる頃には、誰かがすぐ背後に立っているような圧迫感を覚えるといわれている。
本山岬公園の心霊体験談
本山岬公園は、竜王山という自殺の名所の近傍にあり、肝試しの場として知られていた。
ある人物は小中学生の頃、この場所を度々訪れていたという。
霊を直接見たことは無かったが、常に薄暗く湿った空気が漂い、人通りも極端に少ないことから、そこには常に不穏な緊張感があった。
大人になってから再訪した際にも、景観は変わっておらず、白昼には不思議と落ち着く場所にも感じられた。
しかし「夜だけは絶対に近づけない」と語るその表情には、かつて体験した“何か”への恐怖が色濃く刻まれていた。
本山岬公園の心霊考察
本山岬公園に現れる霊的現象は、単なる偶然や心理的錯覚では説明がつかない部分が多い。
特に炭鉱事故による大量死がこの地に強い怨念を刻み込んだ可能性は否定できない。
海底に沈んだままの97体の遺体は、今なお供養されることなく、訪れる者に助けを求めているのかもしれない。
また、竜王山の神社跡地に残された慰霊碑と巨大なハマセンダンの存在は、地の記憶を封じ込める“結界”としての意味合いもあると考えられる。
その場を訪れた者が耳鳴りや異常を訴えるのは、霊的エネルギーが特に強く渦巻いている証拠である。
美しい景勝地としての顔を持つ一方で、闇に沈む過去と現在の霊的現象が交錯する本山岬公園。
静かに佇むこの場所には、今なお語られぬ叫びが風に紛れて流れているのである。
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