福岡県久留米市にそびえる高良山。この場所には古来より霊的な力が宿るとされ、数々の怪異が語り継がれている。今宵は、高良山で囁かれるウワサの心霊話を紹介する。
高良山とは?

高良山(こうらさん)は福岡県久留米市に位置する標高312mの山で、耳納連山の西端にあたる。
かつては高牟礼山、不濡山、青山山などとも呼ばれ、古代より宗教的・軍事的要衝として重要視されてきた。
山中には筑後国一宮・高良大社が鎮座し、山頂付近には神籠石と呼ばれる古代山城の遺構も残る。
深い森と神秘的な霊気に包まれ、信仰と伝説が交差する山――それが高良山である。
高良山の心霊現象
高良山では、以下の心霊現象が語られている。
- 魔の12カーブでの人影目撃と事故の連鎖
- 首無しライダーの出現
- 白装束の老人の霊の目撃(第10カーブ)
- 山中に佇む白い服の女霊
- 奥宮付近のワラ人形が打ちつけられた木
- 後部座席に現れる謎の人影
- 深夜の拝殿周辺に響く足音
これらの現象は、山を訪れる者たちの心に恐怖を刻みつけてきた。
以下、これらの怪異について記述する。
魔の12カーブでの事故と怪異
高良山の山道には幾つもの急カーブが存在するが、特に「第12カーブ」は“魔のカーブ”として知られている。
ここでは数々の事故が発生し、青白い人影が道路に立っていたという証言が相次ぐ。
中には、ブレーキをかけた途端にその人影が消え、直後に車のバックミラーに誰かの顔が浮かんだという話もある。
また、エンジンの突然の停止、ライトの明滅、異音など、車両に異常が起こるという報告も後を絶たない。
首無しライダー
13カーブでは、事故死したとされる暴走族の霊が「首無しライダー」となって現れるという。
夜な夜なバイクのエンジン音とともに、ヘルメットのない首元から黒煙のようなものを漂わせて現れる姿を見たという証言が地元で語られている。
白装束の老人の霊(第10カーブ)
第10カーブでは「幽霊注意」の看板が立てられたこともあるほど、目撃情報が絶えない。
中でも有名なのが、白い着物を着た老人がカーブ脇に佇んでいるという話だ。
その姿は車のライトに照らされると一瞬光を反射し、次の瞬間には消えるという。
白い服の女性の霊
深夜、高良山を歩いていた登山者が白い服を着た女性を見つけ、近づいたところ突然消えたという話が複数存在する。
その霊は無言で手招きをし、こちらをじっと見つめたまま動かないという。
不気味なのは、その姿に「顔がなかった」という証言が多い点である。
奥宮のワラ人形の木
高良山の奥宮付近には、ワラ人形が打ちつけられた木が存在するといわれている。
その木は昼でも薄暗く、近づくと異様な気配に包まれる。
誰が何の目的で人形を打ち付けたのかは不明だが、そこに宿る怨念が新たな霊を呼び込んでいると考える者もいる。
高良山の心霊体験談
ある地元のタクシー運転手の話である。
深夜、山の麓で白い服を着た女性客を乗せ、目的地に向けて出発したが、第12カーブに差し掛かったあたりで、後部座席にいたはずの女性が忽然と消えていたという。
後日、その運転手は病に伏し、以降タクシーの仕事を辞めたそうである。
また、肝試しに訪れた若者が拝殿奥から人の気配を感じ、振り返ったところ誰もいないにもかかわらず足音だけが背後から響いてきたという話もある。
山を出るまでの間、常に誰かに見られているような視線を感じていたという。
高良山の心霊考察
高良山が心霊の舞台となった背景には、長い歴史と霊的因縁が関係していると考えられる。
古代から信仰の対象とされ、神籠石や高良大社といった聖域が点在するこの地には、多くの魂が集まっているのかもしれない。
戦国時代の激戦、修験者の修行、神仏混合の宗教的エネルギー。
それらが複雑に絡み合い、成仏できなかった者たちの思念を引き寄せているのではないだろうか。
さらに、現代に入ってからも自殺や暴走族による事故など、人の命が消える場面が多く存在してきた。
それらの未練が、高良山を霊的磁場へと変えていった可能性は否定できない。
人影、異音、交通事故――目に見える現象だけでなく、目に見えぬ何かがこの山には潜んでいる。
そして、それは“来る者”に語りかけているように感じられる。
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