岡山県倉敷市の向山中腹にかつて存在した洋館には、少女の霊や心霊写真など数多くの怪異が今なお囁かれている。廃墟が取り壊された現在も、そこに漂う不気味な空気は薄れることなく、訪れる者に得体の知れない恐怖を刻み込むという。今回は、向山洋館にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
向山洋館とは?

向山洋館は、岡山県倉敷市の向山中腹に存在していた宿舎の廃墟である。
人里離れた場所に忽然と建っており、その不気味な外観は近づくだけで背筋に冷たいものを感じさせたという。
やがて廃業となり、その原因の一つには心霊現象が関わっているのではないかという噂まで囁かれるようになった。
建物自体はすでに取り壊されてしまっているが、その土地にはなお怪異が残っているとも言われている。
向山洋館の心霊現象
向山洋館の心霊現象は、
- 少女の霊が現れる
- 心霊写真が撮れる
- 中庭で手招きをする霊
- 空中に人の顔だけが浮かんでいた
である。以下、これらの怪異について記述する。
かつての向山洋館では、中庭に立つ少女の霊が目撃されていた。
透けるように白い顔でこちらをじっと見つめ、やがてか細い腕を上げて静かに手招きをするのだという。
その瞳には底知れぬ怨念が宿っており、一度目が合ってしまえば引き寄せられるように足が勝手に進んでしまうとも語られている。
また、洋館の門の近くや裏手に回り込むと、なぜか写真にだけ怪しい人影が映ることが多く、黒いシミのように写り込んだ人影は、どれも決まって顔の部分だけが異様にはっきりとしている。
これを見た者は決まって体調を崩し、悪夢にうなされるともいう。
さらに空中に顔だけが浮かんでいたという証言もある。
それは人のものとは思えないほど白くのっぺりとしており、気づけばじっとこちらを見ていたという。
向山洋館の心霊体験談
ある探索者の話では、友人ら男女4人で向山洋館を訪れた際、門の横をくぐり抜けると黒く焼け焦げた柱のようなものが積まれた倉庫や、苔むした井戸、不気味な石碑が目に飛び込んできたという。
そこで女子2人が突然、耳の後ろで女がくすくすと笑う声を聞いたと顔を青ざめさせた。
声はまるで真後ろから聞こえてくるかのようで、誰もいないことを確かめた瞬間、全員が一目散に逃げ出したそうだ。
また別の探索では、脇道を進んでいくと人の囁き声が微かに響き、奥を撮影した写真には赤く鋭い光が二つ、こちらを睨みつけるように写っていたという。
その後探索を続けるうちに、木々の間から見えた洋館の壁には、異様な色の濃いオーブが浮かんでいた。
向山洋館の心霊考察
向山洋館に現れる少女の霊は、廃墟が取り壊された今もなお行き場を失い、その土地を彷徨っているのかもしれない。
心霊写真や怪異の数々は、洋館という器を失った霊たちが周囲に取り憑くことで、なおも姿を現している証左ではないだろうか。
また、長年取り壊しが完全に進まなかったのも、何かしら人知を超えた理由があったのではと考えずにはいられない。
恐怖を通り越して、そこに根付いた怨嗟の念の深さを感じさせる場所である。
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