和歌山県にある「なぎ公園」では、かつてから不可解な現象が語り継がれている。今回は、なぎ公園にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
なぎ公園とは?

なぎ公園は、和歌山県有田郡湯浅町の湯浅広港に面した海沿いにある公園である。
紀伊水道に浮かぶなぎ湾に面し、桜の季節には花見客で賑わい、子供向けの遊具やブランコ、かつて設置されていた蒸気機関車D51の実物展示などで知られていた。
現在ではSL(D51 737号機)は解体されたものの、飛行機を模したコンクリート製の遊具や、海を望む景観の良さが残る。
また、公園内には海の恵みに感謝し、漁業関係者の霊を供養する慰霊碑も設けられている。
このような場所には、時に人ならざる者の存在が残されるという。
なぎ公園の心霊現象
なぎ公園の心霊現象は、
- 少年の霊が目撃される
- 公衆トイレやSL周辺で視線や気配を感じる
- 不快な異臭や体調不良を訴える者が現れる
- 過去に自殺騒動があったとされる
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず語られるのが、「少年の霊」の存在である。
飛行機が好きだったという少年が、何らかの理由で幼くして命を落とした。
後に彼の両親が、せめて名前だけでも遺してほしいと役場に願い出たという逸話が残る。
その名がついたのが、公園内の「とおる号」という飛行機型遊具である。
少年の名残はそこだけに留まらない。
夜になると、公園内をさまよう小さな影が目撃されており、無人のブランコが揺れるのを見た者もいる。
また、かつて設置されていたD51蒸気機関車の周囲や公衆トイレでは「誰もいないはずなのに視線を感じる」「後ろを振り返ると誰もいないのに、息遣いのようなものを感じる」との報告が相次いでいる。
中には機関車に近づいただけで強い吐き気に襲われ、その場にしゃがみ込んでしまった者もいるという。
さらに、この場所では過去に自殺騒ぎがあったという情報もある。
詳細は公にはされていないが、それ以来この地を訪れた人々が不穏な気配や説明のつかない異常を感じるようになったともいわれている。
なぎ公園の心霊体験談
とある男性は、夜にドライブがてらこの公園に立ち寄った。
照明の薄暗いトイレ前で、小さな子供のような影を見たという。
気のせいかと思いながらも目を凝らすと、何もいない。
それでも背中には確かに「見られている」感覚が残っていた。
また別の若者グループは、遊び半分で深夜に訪れた際、公園の奥から機械音のようなものが聞こえたと証言する。
機関車は既に撤去されているにも関わらず、かすかに汽笛のような音が響いたという。
なぎ公園の心霊考察
なぎ公園における心霊現象の多くは、「記憶」にまつわるものであると考えられる。
少年の霊、機関車の周囲の気配、慰霊碑の存在──それらは全て、かつてこの場所に確かにあった“命”や“思い”の残滓である。
特にD51機関車の存在は、訪れる人々に強い印象を与えていたため、それにまつわる思念が残った可能性がある。
すでに撤去されているにも関わらず、音や気配が感じられるのは「記憶の再生現象」であり、強く刻まれた過去が霊的な形で浮かび上がっているのかもしれない。
また、公園に建てられた慰霊碑は、海に眠る命への鎮魂を目的としている。
つまり、この公園そのものが「供養」の場であり、霊的に敏感な人にはそのエネルギーが強く感じられることもあるだろう。
なぎ公園──それは、美しい景観の裏に、過去と向き合うための静かな語り場なのかもしれない。
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