山口県下関市にある老の山公園には、戦争の記憶と共に今も語り継がれる心霊のウワサが存在する。かつて砲台が築かれた軍事要塞の跡地には、今もなお軍服を纏った霊がさまよい、訪れた者の写真やビデオにその姿を現すというのである。今回は、老の山公園にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
老の山公園とは?

老の山公園(おいのやまこうえん)は、下関市彦島にある老の山の山頂を中心とした総合公園であり、広さは約20万平方メートルに及ぶ。
春には桜やツツジが咲き誇り、響灘を一望できる絶景スポットとしても知られる。
園内には芝生広場や大型遊具が整備され、地域住民や家族連れにとって憩いの場となっているが、こうした穏やかな表の顔の裏側には、決して無視できない歴史が刻まれている。
老の山一帯は、幕末期に長州藩が攘夷戦に備えて築いた砲台跡であり、明治期以降は日本陸軍の砲弾陣地として使用された。
関門要塞の一翼を担ったこの地は、1920年(大正9年)に正式に廃止され、戦争の役目を終えた。
しかし、過去に刻まれた怨念の痕跡は、風景から完全には消え去っていない。
現在も公園南側の斜面には、観測所と見られる円形のコンクリート構造物が静かに残されており、往時の記憶を今に伝えている。
老の山公園の心霊現象
老の山公園の心霊現象は、
- 心霊写真に軍服姿の霊が写り込む
- 昼夜問わず、軍靴のような足音が山中から響く
- ビデオカメラやスマートフォンに、意図しない影や顔が映り込む
- コンクリート構造物付近で霊の気配を感じるという証言が相次ぐ
である。以下、これらの怪異について記述する。
心霊写真に軍服姿の霊が写るという現象は、この地が旧軍施設であったことに起因していると考えられる。
特に、観測所跡の周辺では撮影機器の不調や、不明な人影の映り込みが多く報告されている。
また、夜間に公園を訪れた者の中には、「カツン、カツン」という規則的な足音を聞いたという者もいる。
これはまるで、軍靴で整列行進する音のようだったと証言されており、ただの風の音や動物の足音では説明がつかない。
さらに、動画を撮影していた人物が、自分の背後に誰もいなかったはずなのに、画面の端にぼんやりとした顔が映っていたと語るケースもある。
声なき霊たちが、いまなお存在を訴え続けているかのようである。
特に注意すべきは、老の山公園の南斜面に残されたコンクリート構造物の近辺である。
この場所では、突如として空気が重くなり、息苦しさや寒気を感じる人が後を絶たない。
目には見えぬ何かが、そこに留まり続けているのかもしれない。
老の山公園の心霊体験談
ある女性が昼間に家族で老の山公園を訪れた際、公園の斜面にある構造物の前で家族写真を撮影したという。
その場では何の異変もなかったが、帰宅後に写真を確認したところ、家族の背後に誰もいないはずの軍服姿の男性が立っているのを発見した。
写真を撮った時間帯は午後であり、周囲には他の来園者の姿もなかったため、写り込んだ人物の正体は今も不明のままである。
この写真はすでに削除されてしまっているが、家族全員がその姿を目撃しており、「今もはっきりと思い出せる」と語っている。
老の山公園の心霊考察
老の山公園が心霊スポットとして語られるのは、ただの偶然ではない。
そこには歴史的背景が明確に存在している。
かつては日本を守るための要塞であり、多くの兵士がこの地で訓練に明け暮れ、あるいは戦時下において命を散らした可能性もある。
公園として整備された現在も、当時の痕跡が地中や構造物の中に残っているとされ、その記憶が霊的な形で表出しているとも考えられる。
特に心霊写真や映像に映る軍服姿の霊は、時代に取り残された“記憶そのもの”なのではないだろうか。
現代の平和な日常の中に、ふと顔をのぞかせる過去の亡霊たち。
老の山公園は、戦争の記憶が今も息づく、静かなる異界の入り口なのかもしれない。
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