高知県四万十市にある旧伊豆田トンネルには、かつての悲惨な事故や自殺を背景とした数々の怪異が語り継がれている。今回は、旧伊豆田トンネルにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
旧伊豆田トンネルとは?

旧伊豆田トンネルは、高知県四万十市と土佐清水市を結ぶ重要な旧道に位置していた廃トンネルである。
1959年に完成し、山間部を抜ける交通の要衝として利用されていたが、1994年に新伊豆田トンネルが開通すると、その役割を終えた。
閉鎖の直接の理由はローリング族の問題とされているが、背後には凄惨な事故や自殺の歴史が影を落としている。
1957年、このトンネル付近で観光バスが谷底へと転落し、運転手と乗客5名が死亡した。
犠牲者には子供も含まれており、後に現場には供養のための地蔵が建てられた。
さらにトンネル内では焼身自殺も発生しており、廃道となった今でも異様な気配を漂わせている。
旧伊豆田トンネルの心霊現象
旧伊豆田トンネルの心霊現象は、
- 下駄を履いた少女の霊の目撃
- 焼け爛れた性別不明の幽霊の出現
- トンネル内部での異様な人影や声
- 車のエンジンやライトが突然不調になる怪現象
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず最も有名なのが「下駄を履いた少女の霊」である。
これはバス事故で犠牲となった子供の霊とされ、深夜のトンネル付近でカラン…カラン…と下駄の音が響き、暗闇に幼い影が浮かぶという。
姿を見た者の中には、恐怖のあまりハンドル操作を誤りかけた者もいたという。
また、トンネル内で焼身自殺を遂げた人物の霊も語られている。
全身が焼けただれ、性別すら判別不能な姿で現れるという証言が多く、現れた瞬間、鼻をつく焦げ臭さが漂うこともあるという。
この他、トンネルに入るとエンジンが止まる、車のヘッドライトが急に暗くなるなどの怪現象も報告されており、霊的な干渉と考える者も少なくない。
旧伊豆田トンネルの心霊体験談
ある地元住民の証言によれば、深夜に肝試しで訪れた際、誰もいないはずのトンネル奥から「助けて…」と子供の声が聞こえたという。
恐怖に駆られて逃げ出したが、後部座席から「カラン…」と下駄の音が響き続けたと語っている。
また、別の訪問者は廃トンネルの入口を撮影した際、黒焦げのような影が写り込み、その後カメラが故障したと証言している。
旧伊豆田トンネルの心霊考察
旧伊豆田トンネルにおける心霊現象の多くは、1957年のバス事故とトンネル内で起きた焼身自殺に起因していると考えられる。
幼い命を突然奪われた無念、そして自ら火を放って果てた魂の苦悶が、この場所に焼き付いているのだろう。
さらに、トンネル自体が長年放置され廃墟化したことで、不気味さが増幅され、訪れる人々の恐怖心が怪異を呼び寄せているとも解釈できる。
いずれにせよ、旧伊豆田トンネルは単なる廃道ではなく、多くの命が失われた「記憶の場所」である。
その歴史と怨念が絡み合い、今もなお人々を惹きつけて離さない心霊スポットとなっているのである。
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