旧名古屋トンネルは現在閉鎖されている廃トンネルであるが、心霊写真の撮影報告や、出口が灰色に消え視界が遮られる怪異などのウワサが残されている。今回は、旧名古屋トンネルにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
旧名古屋トンネルとは?

旧名古屋トンネルは、かつて高知県の戸波村(現・土佐市)と須崎市吾桑の境に存在した道路トンネルである。
二級国道松山~高知線(現・国道56号)の難所として知られ、急勾配と急カーブが連続する道に設けられていた。
昭和28年に工事が開始され、昭和33年に完成。延長327m、幅員5.3m、高さ4.5mの規模で、37年間にわたり利用された。
だが平成6年11月に新名古屋トンネル(延長378m)が完成したことで、その役目を終え、閉鎖されたのである。
現在は坑口がフェンスで塞がれ、立ち入ることはできないが、内部には今なお暗い気配が漂っていると囁かれている。
旧名古屋トンネルの心霊現象
旧名古屋トンネルの心霊現象は、
- 心霊写真が撮影されたという報告
- トンネル内部に煙状の靄が漂っていたという目撃談
- 出口が突然灰色に覆われ、視界が遮断されたという体験
- 何者かの気配を感じるという証言
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず多く語られるのが心霊写真である。
訪れた者がトンネル内を撮影すると、肉眼では存在しない人影や不可解な靄が写真に写り込むことがあるという。
特に出口付近での撮影において異常が起こる傾向が強い。
さらに、トンネルを凝視していると、出口がスゥーッと灰色に覆われ、完全に視界から消え去るという報告もある。
実際に体験した者は「出口がなくなり、どこにも行けなくなる恐怖」を感じたと語る。
これは単なる錯覚とは思えない異様な現象である。
また、内部には煙のような靄が漂っているのが見えたという証言もある。
湿気や排気の類と片づけられぬほど濃く、そして動きが不自然であったとされる。
何より、写真や靄といった視覚的異常だけでなく、誰もいないはずの場所で「視線を感じる」「背後に何かが浮遊しているようだ」という不気味な気配を覚える者が多い点が、このトンネルの恐怖を際立たせている。
旧名古屋トンネルの心霊体験談
ある人物は一度目の訪問で心霊写真を撮影してしまった。写真には、白い影のようなものが出口付近に浮かんでいたという。
そして二度目の訪問ではカメラを持参し、じっとトンネルを見つめていた。
すると突然、出口が灰色の幕で覆われ、視界が完全に遮られた。空気が急に冷たくなり、「何かがそこにいる」としか思えない圧迫感に襲われたと語る。
彼は慌ててその場を離れ、以降は再び訪れることができなかったという。
この体験談は「出口が閉ざされる」という現象を裏付けるものであり、極めて不気味である。
旧名古屋トンネルの心霊考察
旧名古屋トンネルでは、写真・靄・出口消失・気配といった複数の怪異が重なって報告されている。
これらは偶然の錯覚や環境による自然現象で説明できる部分もあるだろう。
しかし「出口が灰色に消える」という現象は、ただの湿気や視覚効果では説明できない。
閉鎖され長く使われぬまま朽ちていくトンネルは、暗闇そのものが異界とつながる入口となるのかもしれない。
旧名古屋トンネルは、廃墟の静けさと過去の交通難所としての歴史を背負いながら、いまもなお不可解な気配を放ち続けているのである。
コメント