徳島県と香川県の県境に位置する大阪峠と、そこに隣接するあせび公園は、美しい自然と展望の名所として知られる一方で、数々の怪奇現象や心霊体験が語り継がれている場所でもある。今回は、大阪峠とあせび公園にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
大阪峠とあせび公園とは?

大阪峠(おおさかとうげ)は、徳島県鳴門市と香川県東かがわ市を結ぶ峠であり、古くは源義経が平家奇襲のために越えたとされる歴史的な山道である。
その険しい地形は長らく人の往来を拒み、後に多くの工夫の犠牲の上にようやく県道1号線が整備された。
峠の途中には地蔵や仏が無数に安置されており、いわくつきの場所であることを示している。
あせび公園は、大阪峠の徳島県側にある自然公園で、1980年の徳島県置県100年を記念して整備された。
約2000本の馬酔木(あせび)の木が群生しており、春にはその白い花が咲き乱れる。
園内には展望台が設けられ、瀬戸内海や徳島市方面の絶景を望むことができるが、その静けさと人の少なさが、逆に異界との境を匂わせている。
大阪峠とあせび公園の心霊現象
大阪峠とあせび公園の心霊現象は、
- 展望台で自殺をした者の霊が出る
- 展望台から写真撮影をしようとした人が崖から落ちた
- 夜間、大阪峠を通っていた者が公園に迷い込み、女性の霊に追いかけられた
- 後方に現れる正体不明の光
- 首なしライダーの目撃情報
- 息苦しさや重苦しい空気を感じるとの報告
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず、展望台では過去に自殺を図った者がおり、その後から、誰もいないはずの展望スペースに人影が立っているとの通報が何件も寄せられている。
とりわけ夕暮れ時には、その影が柵の外に立ち、こちらを見つめているという証言もある。
また、ある男性が展望台からスマートフォンで写真を撮ろうとした際、突然足を滑らせて転落したという事件も報告されている。
風もなく、足場も濡れていなかったことから、何かに引っ張られたのではないかという噂が根強い。
さらに、夜間に大阪峠を車で通っていた者が、気づけばあせび公園に入り込んでおり、道に迷ってしまったという。
その最中、白い着物の女性に追われたという証言もある。
後ろを振り返ると姿はないが、次の瞬間には目の前に現れていたという恐怖の一幕があった。
加えて、大阪峠のカーブでは、後方にぼんやりとした光が見え、他車の接近かと思って振り返ると何もいないという怪現象が多発している。
その光はヘッドライトにしては不自然に暗く、直線道路では必ず姿を消すという。
また、この場所では「首なしライダー」が出るという噂もあり、バイクの排気音だけが聞こえてくるにもかかわらず、姿が見えないといった報告が相次いでいる。
全体として、大阪峠からあせび公園にかけての一帯は、常に空気が重く、息苦しさを感じる者が多いという。自然が美しいはずの場所に、なぜこれほどの異常が集まるのかは謎である。
大阪峠とあせび公園の心霊体験談
ある晩、筆者の後輩であるA君が大阪峠を車で走っていたときのことである。
峠のカーブに差しかかるたび、サイドミラーに小さな光が映るのに気づいた。
後続車かと思い直線に出ると、後ろには誰もいない。再びカーブに入るとまた光が見えるが、車のものにしては異様に暗い。数回それが続いたあと、しばらく直線が続く道では光は一切現れなかった。
また、筆者自身も大阪峠を走行中に、強い息苦しさを感じたことがある。
まるで空気そのものが重く、見えない何かが車にまとわりついているような感覚であった。
加えて、大阪峠の近くで過去に心中事件が起きたという話もある。
展望台近くで撮られた写真に、人影や手のようなものが写り込んでいたという投稿もあり、霊的存在がこの地に留まり続けている可能性を感じざるを得ない。
大阪峠とあせび公園の心霊考察
この場所に多くの霊的噂が集中している背景には、いくつかの要因が考えられる。
まず第一に、大阪峠の歴史的な背景である。源義経の奇襲という逸話に始まり、後年の道の開通における工夫たちの犠牲、さらには戦後に起きたとされる心中事件や自殺など、人の死が累積している地である。
また、地蔵や仏が多く安置されていること自体が、過去に何らかの供養が必要とされる出来事があったことを示唆している。
こうした場所では、魂が安らかに眠ることができず、現世に影響を及ぼしてしまうというのが、古来より信じられてきた。
あせび公園という整備された空間でさえ、時にその美しさの裏に潜む異質な気配が表面化することがある。
特に展望台は、見晴らしの良さと引き換えに「何か」が集まりやすい場ともなっており、そこを訪れた者が無意識のうちに霊的存在と接触してしまうのかもしれない。
大阪峠とあせび公園。この二つの地に共通しているのは、静寂と隔絶、そして歴史と死が絡み合った“沈黙”である。
その沈黙に耳を澄ませたとき、聞こえてくるのは風の音か、あるいは――。
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