福島県いわき市にある波立トンネル脇の歩行者用トンネルには、古くから不可解な現象が報告されている。トンネル内に響く声、心霊写真に写る無数の顔、そして現れるという女性の霊——これらの心霊現象は、近隣の海岸で命を絶った者たちの霊によるものだと噂されている。今回は、波立トンネル脇の歩行者用トンネルにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
波立トンネル脇の歩行者用トンネルとは?

福島県いわき市久之浜町、県道395号線沿いに位置する「波立(はったち)トンネル」。
そのすぐ脇、海側にはひっそりと歩行者用のトンネルが存在する。
この周辺には、いわき三大薬師の一つである「波立薬師」が祀られており、また、奇岩が連なる「波立海岸」は初日の出の名所としても知られている。
特に北側にある「弁天島」から見える朝日は絶景であり、年始には多くの参拝客が訪れる。
だが、これら美しい景観とは裏腹に、この海域では渦潮が発生しやすく、入水自殺者が後を絶たないという。
そして、その霊たちが現れる場所――それが、波立トンネル脇の歩行者用トンネルなのである。
波立トンネル脇の歩行者用トンネルの心霊現象
波立トンネル脇の歩行者用トンネルの心霊現象は、
- 女性の霊が現れる
- 不気味な声が聞こえる
- 心霊写真が撮れる
- トンネル周辺にまつわる自殺者の霊の噂
である。以下、これらの怪異について記述する。
この歩行者用トンネルは、車用のトンネルと比べてやや短く、外観はかなり古びている。
通路の中は薄暗く、湿気を含んだ空気が重くのしかかる。
最もよく語られるのは、女性の霊の目撃談である。
夜間、トンネルの奥に白い服を着た女が立っていたという証言が複数存在する。目が合った瞬間、ふっと消えてしまうという。
また、誰もいないはずのトンネル内で、背後から「帰れ」という声が聞こえたという話もある。
その声は小さく、しかし確かに耳元でささやかれるという。
さらに、トンネル内やその周辺で写真を撮ると、写ってはいけない“何か”が映ることがある。
ある者は、海岸線を撮影した際、波間に無数の人の顔が浮かんでいる写真を撮ってしまい、恐怖のあまり写真を破り捨てたと語る。
このような現象が多発する背景には、波立海岸で起きた数々の入水自殺が関係しているといわれる。
潮の流れが強く、ふとした拍子に引き込まれる危険性も高いこの海岸では、死を選ぶ者が後を絶たない。
そして、その霊たちが、最も近くにあるこの歩行者用トンネルに現れるのだという。
波立トンネル脇の歩行者用トンネルの心霊体験談
ある男性が、波立海岸を訪れた際、ふとトンネル内を覗いてみたという。
夕暮れ時だったが、中はすでに真っ暗で、かすかに湿った風が吹いていた。
男はスマホで内部を撮影した後、何気なく再生してみた。
すると、誰もいないはずのトンネル内から、はっきりと「たすけて…」という女の声が入っていたという。
驚いた彼はすぐにデータを消したが、それから数日間、毎晩のように金縛りに遭い、耳元であの声が聞こえたと語っている。
波立トンネル脇の歩行者用トンネルの心霊考察
このトンネルにまつわる心霊現象は、すべてが偶然とは言い切れない。
現場はかつてからの霊的な“集まりやすい場所”であり、特に水辺や岩場といった土地には、霊が溜まりやすいという。
歩行者用トンネルは、車用と比べて人の出入りも少なく、静まり返った空間が常に広がっている。
その閉鎖的な空気の中に、未練を残した霊たちが集まりやすくなっているのだろう。
とりわけ、入水自殺という最期を遂げた者たちは、未だ自らの死を受け入れられず、「誰かに気づいてほしい」「自分もまだここにいる」と訴えかけているように思える。
波立トンネル脇の歩行者用トンネル。ここはただの道ではない。
過去と現在、そしてあの世とこの世の境界が、静かに揺らいでいる場所なのかもしれない。
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