香川県坂出市の山中にひっそりと残る宗教施設廃墟「来光山聖福院」。かつては信者が祈りを捧げた場所だったが、教祖の死去と宗教法人の解散により荒れ果て、今では不気味な心霊スポットとして知られている。今回は、来光山聖福院にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
来光山聖福院とは?

来光山聖福院は香川県坂出市に位置する宗教施設である。
1985年、教祖であった福岡阿幸氏が真言宗山階派として開宗し、同年にこの施設を建立した。
敷地には本殿のほか、信者が寝泊まりしていた別館、そして奥の高台に降霊殿という礼拝堂を備えた、壮大かつ立派な造りであった。
しかし2000年前後に使用されなくなり、2007年頃には教祖の高齢化による言動の異常から信者との対立が生じた。
その後、施設は放棄され、2015年に教祖が死去。
宗教法人聖福院は2016年に高松地方裁判所の命令で解散となった。
現在は廃墟と化し、荒れ果てた建物には落書きや破壊の痕が残されている。
来光山聖福院の心霊現象
来光山聖福院の心霊現象は、
- 正体不明の霊が現れる
- 誰もいないのに足音が聞こえる
- 降霊殿で物音が響く
- 祈りの場で視線を感じる
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず最も多く語られるのが「正体不明の霊」である。
廃墟内部を探索した者の中には、黒い影のようなものがステンドグラスの光を横切ったと証言する者がいる。
しかもその姿は、複数の人間が同時に見ている場合もあり、単なる錯覚や光の加減では片づけられない。
次に「足音」である。廃墟の床は抜け落ち、瓦礫が散乱しており、誰かが歩けば必ず音が響く。
しかし探索者が立ち止まった後も、背後で“コツ、コツ”と足音だけが続くという報告が後を絶たない。
誰もいない空間で続くその音は、ただの自然現象とは思えない不気味さを放っている。
さらに降霊殿では、「物音」が頻発するとされる。夜に訪れた者は、ガタリと椅子を引くような音を聞いたと語る。
かつて祈りを捧げる場所であったこの空間は、現在では荒廃し、天井の天女の絵にも落書きが施されているが、そこで響く音には“見えない信者たち”の存在を想起させる。
最後に「視線」である。
降霊殿の奥、ステージのような壇上に立った際、背後からじっと見つめられている感覚を訴える者が少なくない。
振り返っても誰もおらず、ただ荒れ果てた空間が広がるだけだが、その感覚は生々しく、精神を圧迫するほど強烈であるという。
来光山聖福院の心霊体験談
ある探索者は深夜、仲間と降霊殿に入った際、ステンドグラスの光の下で白い影のようなものを見たという。
影はふわりと宙に浮かび、仲間が悲鳴を上げた瞬間に消えた。
直後、背後の扉が音もなく閉まり、全員が慌てて外へ逃げ出した。
後に写真を確認すると、誰もいないはずの壇上に人影のようなものが写り込んでいたという。
来光山聖福院の心霊考察
来光山聖福院には、明確な事件や事故による死者の記録は存在しない。
それにもかかわらず、霊の目撃談や不可解な足音の報告が相次ぐのはなぜか。
考えられるのは、この地に染み付いた「信仰の念」である。
長年にわたり多くの人々が祈りを捧げ、霊を呼び降ろす儀式が行われていた降霊殿は、強烈な思念の残留を招いたのかもしれない。
また、教祖と信者との対立、訴訟、そして団体の消滅という暗い歴史が、この地を“負の感情”で満たした可能性もある。
その結果、現世に未練を残した“正体不明の存在”が姿を現し、探索者に恐怖を与えているのだろう。
来光山聖福院はただの廃墟ではなく、信仰の念と崩壊の記憶が絡み合った「生きた心霊スポット」である。
足を踏み入れる者は、視線の圧迫や足音の幻聴だけでなく、己の背後に“何か”が立つ感覚を味わうことになるだろう。
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