岡山県笠岡市にある「切れ池跡」には、古くから血なまぐさい歴史と、それにまつわる恐ろしい心霊のウワサが絶えない。今回は、切れ池跡にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
切れ池跡とは?

切れ池跡とは、かつて笠岡代官所の処刑場の一部であったとされる土地である。
現在はその大半が駐車場として整備されているが、一部には墓地があり、その存在がこの土地の過去を物語っている。
「切れ池」と呼ばれる由来は、「処刑に使用した刀を池で洗った」「はねた罪人の首を池に浸けて洗った」など、いずれも血と死を連想させる戦慄の由来である。
人々はその名が持つ意味を直視することを避けつつも、今もなお薄気味悪さを感じながらその地を通り過ぎる。
近隣には白骨死体が発見されたというウワサのある白い空き家も存在し、現在は人気がないという。
また、すぐ隣には笠岡小学校があり、子どもたちの無垢な声と、かつての処刑場跡の暗い歴史が奇妙に隣り合っているのが現状である。
切れ池跡の心霊現象
切れ池跡の心霊現象は、
- 夜になると男性の霊が現れる
- 墓地周辺でうめき声が聞こえる
- 空き家の窓に人影が浮かぶ
- 切れ池のあった場所で頭を洗うしぐさの霊が目撃される
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず最も有名な現象は、「男性の霊」である。
夜になると、墓地付近や駐車場の片隅に、ずぶ濡れの男が立っているという報告が相次いでいる。
その男は何も語らず、ただ虚空を見つめているが、目が合った者は高熱を出して寝込んだという。
次に、「墓地周辺でうめき声が聞こえる」という現象がある。
これは深夜帯に限定されるが、誰もいないはずの墓地から「うぅ……うぅ……」という苦しげな声が断続的に聞こえるとされている。
通りかかった者は、しばしば足を止めてしまうが、声の主を確認できた者はいない。
また、白骨死体が見つかったというウワサのある白い空き家の窓には、夜中になると人影がぼんやりと浮かぶという。
明かりのないはずの室内に、一瞬だけ誰かが立っているように見えるという証言が複数ある。
警察が何度か確認に入ったが、誰もいなかったという。
最後に、「切れ池のあった場所で頭を洗う霊」が目撃されている。
水などない駐車場の中央で、しゃがみ込み、まるで頭を池に浸けて洗っているかのような動作をする影が見えるという。
しかもその姿は、首が不自然な角度に傾いているという報告もあり、処刑された罪人の霊が未だ現世をさまよっていると考えられている。
切れ池跡の心霊体験談
ある男性が、切れ池跡に深夜車を停めて休んでいたところ、リアウィンドウ越しに誰かがこちらを覗いている気配を感じたという。
振り返ると、後部座席の窓の外に、白く濁った目をした男がぬっと顔を寄せていた。
驚いてエンジンをかけ走り去ったが、数百メートル離れてもまだ背後から視線を感じ続けたという。
また、墓地を通った女性は、突然肩を叩かれたが、振り向いても誰もいなかった。
しばらくして帰宅後、肩には赤い手形のような痣が残っていたという。
切れ池跡の心霊考察
切れ池跡の心霊現象は、笠岡代官所による処刑の歴史が深く関係していると考えられる。
罪人たちがこの地で命を絶たれ、その体が処理された場所に今もなお強い未練と怨念が染みついているのだろう。
特に、刀を洗った池、首を浸けて清めたという逸話は、生々しい血と苦痛の記憶をこの地に刻みつけた。
さらに、白骨死体のウワサがある空き家と隣接することで、この土地全体が死と隣り合わせの空気に包まれている。
現代においても、無念を抱えた霊たちが、自らの死の意味を問い続けるかのように人々の前に姿を見せるのかもしれない。
切れ池跡は、単なる過去の場所ではなく、現在進行形で霊的現象が続いている“生きた”心霊スポットであるといえるのかもしれない。
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