西条グランドホテルは、広島県東広島市にひっそりと残る巨大な廃ホテルである。かつて華やかなレジャー施設として栄えたこの場所は、今や廃墟と化し、女性の霊やラップ音、心霊写真といった不気味な噂が絶えない。今回は、西条グランドホテルにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
西条グランドホテルとは?

西条グランドホテルは、広島県東広島市西条町下三永にかつて存在した大規模ホテルである。
1975年から1981年にかけて開業し、全96室の客室に加えてテニスコートやプールを備え、当時はレジャー目的で訪れる客で賑わった。
しかし2008年頃に突如として休業し、その後は一切修繕されることなく建物は放置された。
現在では金属部は錆びつき、壁面は風雨により崩落し、ガラスは割れ散り、落書きや破壊の跡が無残に刻まれた迷惑物件と化している。
周辺は私有地であり、地元住民が度重なるトラブルに悩まされているため、軽い気持ちでの訪問は絶対に避けるべきである。
西条グランドホテルの心霊現象
西条グランドホテルの心霊現象は、
- 女性の霊が廊下に佇んでいる
- 誰もいないはずの場所からラップ音が響く
- 撮影した写真に不可解な影や顔が映り込む
- 訪れた者が帰宅後も妙な気配に付き纏われる
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず、女性の霊についてである。
廃墟となったホテルの薄暗い廊下や部屋の隅に、白いワンピース姿の女性がぼんやりと佇んでいるのを見たという証言が後を絶たない。
目撃者は、その女の顔が異様に青白く、虚ろな目をこちらへ向けているのを見た瞬間、金縛りのように体が動かなくなったと語る。
また、夜半に建物内部を探索していると、突然壁の奥から「コン…コン…」と規則的に叩くような音が聞こえることがあるという。
これがいわゆるラップ音であり、霊的な存在がこの世に干渉しようとする際に発生する現象とされている。何もない空間から確かに響くその音は、探索者の神経を容赦なく削る。
さらに、このホテルで撮影した写真には、誰も立っていないはずの場所にぼやけた人影や、窓にこちらを覗き込む顔が写り込むことがある。
現像後に初めてそれを目にした人は、恐怖で絶句するという。
もっと忌まわしいのは、帰宅後もその不気味な気配に悩まされるケースである。
自宅に戻ったはずなのに、背後から誰かに見られているような気配が続き、夜中に目を覚ますと部屋の隅に黒い影が立っていた、という体験談も存在する。
西条グランドホテルの心霊体験談
ある若者グループが心霊スポット巡りの一環でこのホテルを訪れた際の話である。
廃墟内を懐中電灯で照らしながら進んでいると、後ろを歩いていた友人が突然悲鳴を上げた。
何事かと振り返ると、友人の肩に白く細い手が触れていたという。その瞬間、全員に身の毛もよだつ寒気が走り、慌てて外へ飛び出した。
後日、その友人は原因不明の高熱を出し、数日間うなされ続けたという。
夢の中では、長い黒髪の女が枕元に立ち、何度も名前を呼んでいたらしい。
西条グランドホテルの心霊考察
このホテルには、かつて数多くの宿泊客や従業員がいた。その中で、病や事故、自死といった不幸な死を遂げた者がいたとしても不思議ではない。
また、長らく廃墟となり、人知れず不満や怨嗟の念が積み重なっていった結果、異界と現世の境界が曖昧になり、霊がこの場所に留まり続けているのかもしれない。
老朽化が進み、今にも崩れ落ちそうなこの建物は、そうした負の気を溜め込みやすい。
割れた窓から吹き込む風は、廊下を抜けるたびにまるで誰かの呻き声のように聞こえる。
そしてラップ音は、そこに閉じ込められた霊が必死に存在を訴えているかのようである。
西条グランドホテルは単なる廃墟ではなく、死者の想いが棲みつき、今もなお訪れる者に爪痕を残す場所なのである。
無闇に足を踏み入れれば、その忌まわしき気配はあなた自身にも纏わりつき、二度と離れなくなるかもしれない。
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