福岡県の山間部にひっそりと存在するショウケ越峠。その中でも「第5カーブ」と呼ばれる場所には、ある特異な現象が繰り返し目撃されているという。今回は、ショウケ越峠 第5カーブにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
ショウケ越峠 第5カーブとは?

ショウケ越峠(しょうけごえ)は、福岡県糟屋郡須恵町と飯塚市をまたぐ山道である。
正式には福岡県道60号飯塚大野城線の一部であり、全長約15kmにわたって山を縫うように続くこの道には、急カーブが57箇所存在する。
その中でも特に「第5カーブ」と呼ばれる場所に、ある異常な気配が漂っている。
この峠の名前は、神功皇后が応神天皇を出産した際、ショウケ(竹で編まれた笊笥)に赤子を入れてこの峠を越えたという古い伝説に由来している。
峠の歴史は深く、地形も険しい。過去には大雨による土砂崩れや、冬季の積雪・路面凍結でたびたび通行止めとなっており、自然災害が絶えない場所でもある。
交通量は少なくないが、その道中には一種異様な静けさがある。
そして、その沈黙を破るように、恐るべき心霊現象が語られている。
ショウケ越峠 第5カーブの心霊現象
ショウケ越峠 第5カーブの心霊現象は、
- パジャマ姿の男性の霊が現れる
- カーブを曲がると突然車内が冷える
- 夜中に人影が横切るが、確認すると誰もいない
- 同じ場所でナビが狂う
である。以下、これらの怪異について記述する。
最も頻繁に語られるのが、「パジャマ姿の男性の霊」である。
この霊は第5カーブに差し掛かった瞬間、道路脇に立っていたり、ふいに車の進行方向に現れたりする。
深夜、ヘッドライトの中にぼんやりと浮かび上がるその姿は、肌寒くなるほど生々しい。
まるで眠ったまま彷徨っているかのようなその風貌は、このカーブで命を落とした人物が地縛霊となったものではないかと噂されている。
次に多いのが、「車内が急激に冷える」という現象である。
第5カーブに差しかかった瞬間、窓を閉め切っているにもかかわらず、まるで冷気が吹き込んだかのような感覚に襲われる。
冷房を切っていても、エアコンの吹き出し口から氷のような空気が流れ出すという証言もある。
また、「人影が横切る」体験も多い。夜間にカーブへ差し掛かったドライバーが突然急ブレーキを踏む。
しかし確認してもそこには誰もいない。
しかも、その影は白く透けるように見えたという者もおり、明らかに人間ではない存在であることを物語っている。
さらに、カーナビの誤作動も報告されている。
第5カーブに近づくと、ルートが乱れたり、現在地が消失するという異常が発生する。
ナビが「目的地に到着しました」と突如告げることもあり、まるで“何か”が操作しているかのようだと語られている。
ショウケ越峠 第5カーブの心霊体験談
ある夜、一人でドライブをしていた男性が、第5カーブに差しかかったときのことである。
ヘッドライトの先に、パジャマ姿の男が立っているのが見えた。
咄嗟にブレーキを踏んだが、男は一瞬にして消えた。
その直後、車内が一気に冷え込み、フロントガラスには無数の手形が浮かび上がったという。
別の女性は、カーブを曲がった直後、助手席に人の気配を感じた。
誰もいないはずの隣からは微かに呼吸音が聞こえ、振り向くことができなかったと震えながら語っている。
ショウケ越峠 第5カーブの心霊考察
ショウケ越峠 第5カーブにおける心霊現象は、極めて具体的かつ一致した内容が多い。
特に「パジャマ姿の男性」というモチーフは複数の証言で共通しており、単なる噂の域を超えている印象がある。
この男性はおそらく、かつてこのカーブで不慮の事故により命を落とした人物であり、その最期の姿のまま、いまだ成仏できずにこの地に留まり続けているのだろう。
また、峠の地形的な特殊性――急カーブ、勾配、霧の多さ、過去の事故多発地帯であること――も、霊的な「留まりやすさ」を助長している要因と考えられる。
地縛霊とは、その場から動けぬ強い怨念によって生まれる存在である。
ショウケ越峠 第5カーブには、そのような負の記憶がいくつも積み重なっているのかもしれない。
あなたがもし、この峠を深夜に通ることがあれば、どうかスピードを落とし、注意深く前を見てほしい。
そこに、パジャマ姿の“彼”が待っているかもしれないのだから。
コメント