山口県周南市にある菅野ダムは、湖底に沈んだ集落の記憶と数々の悲劇が重なり、地元で心霊スポットとして恐れられている。湖畔では女性の霊や人影の目撃談が相次ぎ、自殺者の霊がさまようという噂も絶えない。今回は、菅野ダムにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
菅野ダムとは?

菅野ダム(すがのダム)は、山口県周南市中須北、錦川水系の本川上流部に建設された多目的ダムである。
昭和41年(1966年)に竣工し、主に周南地域の上水道用水や工業用水の供給を担ってきた。
建設に伴い、163戸の家屋が立ち退きを余儀なくされ、旧都濃郡中須村菅野の集落が湖底へと沈んだ。
この消えた集落の名が、現在の「菅野ダム」として残されている。
また、ダム湖畔には中ノ島公園が整備されており、キャンプやドライブのスポットとしても知られているが、そこには人知れぬ影が潜んでいるというウワサが絶えない。
菅野ダムの心霊現象
菅野ダムの心霊現象は、
- 女性の霊が現れる
- ダム湖に人影が浮かび上がる
- 中ノ島公園で黒い影が目撃される
- 自殺者の霊がさまよう
- 車ごと突っ込んだ事故現場周辺で異変が起こる
である。以下、これらの怪異について記述する。
菅野ダムでは、複数の霊的な現象が語り継がれている。
特に多いのは、湖畔で目撃される「女性の霊」である。
中ノ島公園のベンチ付近や、湖へと続く遊歩道沿いで、薄い霧の中に白い服をまとった女が立っていたという証言が複数ある。
また、ダム湖の水面にぼんやりと現れる「人影」は、入水自殺者の霊ではないかと囁かれている。
晴天の日であっても水面に異常な波紋が広がり、誰もいないはずの岸辺から濡れた足跡が続いていたという報告もある。
中ノ島公園内では「黒い影」が頻繁に目撃される。
昼間でも木陰の間からじっとこちらを見てくるような視線を感じた、という声が多い。
特にキャンプに訪れた者たちの間では、「夜中にテントの外を人が歩く足音が聞こえた」「誰もいないのにテントが揺れた」といった体験談が後を絶たない。
さらに恐ろしいのは、過去にこのダムで発生した事件である。
2003年12月、周南市で母親が二人の子どもを道連れに無理心中を図り、次男を殺害後、自らは菅野ダムの堤防から飛び降りて命を絶った。
遺体は堤防下のり面で発見された。この事件以降、堤防周辺ではうめき声や、手招きをするような影が見えるという証言が増えたという。
また、渡瀬橋のたもとにある交通安全の地蔵は、車ごとダムへ突っ込んだ事故を鎮めるために設けられたとも噂されている。
この場所では、アイドリング中に突然エンジンが停止したり、ラジオから異常音が流れるといった怪異が報告されている。
菅野ダムの心霊体験談
実際に現地を訪れた者の証言によると、菅野ダムの不気味さは日常の延長に潜んでいる。
ある者は「YouTubeで心霊スポットとして紹介されていた広場に立ち寄ったが、10分もせずに怖くなって車に戻った」と語る。
また、「通りかかっただけなのに、背後から人の気配がした」と証言する者もいる。
観光地としての顔の裏に、説明のつかない異様な空気がまとわりついているのは確かである。
菅野ダムの心霊考察
菅野ダムには、かつて存在した集落が湖底に沈んでいる。
この「水没した村」が、霊的な現象の震源地となっている可能性は否定できない。
生活の痕跡がすべて水中に封じ込められたことにより、成仏できなかった霊魂が現世に留まり続けているのではないか。
また、実際に起きた無理心中事件や自殺の多発も、この地の「負の気」が濃密であることを示している。
人の死が繰り返された土地は、時間とともに怨念を蓄積し、やがて霊的現象として表出することがある。
特に中ノ島公園や堤防周辺は、目撃例や異変の報告が集中しており、「死者が集まる場所」としての性格を強く帯びている。
現地を訪れる際には、安易な気持ちでは近づかない方がよい。
そこには、確かに“何か”が存在しているのである。
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