人はなぜ幽霊を怖がりたがるのか ― 恐怖を求める人間側の欲望 ―
幽霊は、誰にとっても恐ろしい存在として語られる。 しかし奇妙なことに、人は幽霊を避ける一方で、わざわざその恐怖に近づこうとする。心霊スポットを訪れ、怪談を読み、ホラー映画を観る。 怖いと分かっていながら、その体験を求めてしまうのはなぜなのだろうか。…
幽霊は、誰にとっても恐ろしい存在として語られる。 しかし奇妙なことに、人は幽霊を避ける一方で、わざわざその恐怖に近づこうとする。心霊スポットを訪れ、怪談を読み、ホラー映画を観る。 怖いと分かっていながら、その体験を求めてしまうのはなぜなのだろうか。…
心霊現象の話を追っていくと、ある奇妙な事実に気づく。 幽霊は「人」に憑く存在として語られる一方で、実際には特定の「場所」に結びついて語られることの方が圧倒的に多い。廃墟、トンネル、学校、病院、踏切、池、山道。 登場人物は時代とともに変わっているにもか…
本記事は、「心霊現象の考察」シリーズの一編であり、ひとつの区切りとなる内容である。これまで本シリーズでは、見えない揺らぎ、夜という時間、人が意味を与える行為、そして「見える人」という存在について考察してきた。ここで改めて問いたい。「幽霊は存在するのか…
本記事は、「心霊現象の考察」シリーズの一編である。幽霊の存在を断定することも、完全に否定することもせず、「見える」という現象そのものに焦点を当て、その正体について考察していく。これまで本シリーズでは、宇宙以前の「揺らぎ」、心霊体験が夜に集中す…
心霊話の結末として頻繁に登場する言葉が「成仏」である。幽霊は何かしらの未練を残し、それを解消することで消えていく。非常に分かりやすく、救いのある考え方だ。しかし、この成仏という概念は、本当に現象として存在しているのだろうか。成仏は現象ではなく…
心霊体験談の多くは、夜に集中している。昼間に幽霊を見たという話も存在はするが、圧倒的に少ない。ではなぜ、幽霊は夜に現れると語られるのだろうか。この疑問は、単なる雰囲気や思い込みでは片づけられない。夜は「何も見えなくなる時間帯」であるま…
「幽霊は存在するのか」という問いは、長年オカルトの領域に押し込められてきた。しかし近年、宇宙論や量子物理学の分野において、「完全な無は存在しない」という考え方が一般化しつつある。この事実は、幽霊という存在を単なる迷信として切り捨てるには、少し都合が悪い。…