徳島県の吉野川に架かる高瀬橋は、四国最長の潜水橋として知られるが、過去には多くの転落事故や水難事故が発生し、現在も奇妙な心霊現象が語り継がれている場所である。今回は、高瀬橋(潜水橋)にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
高瀬橋(潜水橋)とは?
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高瀬橋(たかせばし)は、徳島県道15号徳島吉野線に属する潜水橋である。
南岸は徳島県名西郡石井町藍畑、北岸は板野郡上板町高瀬に接続しており、吉野川に現存する潜水橋の中で最長かつ最も下流に位置している。
潜水橋とは増水時に川に沈む構造を持つ橋であり、洪水時に水圧を逃がすため、欄干を設けず低い造りとなっている。
このため車両通行時は水面との距離が近く、特に夜間や濃霧時には水と道路の境界が極めて曖昧になる。
高瀬橋は1954年(昭和29年)に日本最長の潜水橋として完成し、現在も四国最長を誇る。
橋長は522メートル、有効幅員は4メートルほどで、普通車同士のすれ違いは困難である。
生活道路として利用されているが、過去には多数の転落事故が発生しており、一部では「命を奪う川の門」とも呼ばれている。
高瀬橋(潜水橋)の心霊現象
高瀬橋(潜水橋)の心霊現象は、
- 夜間に橋を渡ると、水面から人の手が伸びてくる
- 車で走行中、前方に立つ女性の姿が突然現れる
- 濃霧時、対向車だと思ったライトが消え、跡形もなく消失する
- 増水後の早朝、橋の中央で水滴を垂らし続ける人影が立っている
である。以下、これらの怪異について記述する。
高瀬橋の最も多く語られる怪異は「水面から伸びる手」である。
深夜、車やバイクで通行していると、水面から何かがすっと上がり、欄干のない橋の縁から白い手が揺れるように現れるという。
この手は次第に数を増やし、まるで通行者を川へ引きずり込もうとするかのように伸びてくると証言されている。
また、女性の霊が現れるという話も根強い。髪を濡らしたまま無表情で立ち尽くし、通行者が近づくと霧のように消える。
事故で命を落とした人物の霊ではないかと噂されるが、その身元は判明していない。
濃霧時の「消える車」も恐れられている現象である。
夜間に前方からライトが接近してくるが、すれ違う直前にその光はふっと消え、そこには何もいない。
中には直後にハンドルを誤って川へ転落しかけたという体験談もある。
さらに、台風や大雨の翌朝には「濡れた人影」が中央に立っているのが見えるという。
近づくと靴跡も残さず消えるため、地元では「水死者の見張り番」と呼ばれている。
高瀬橋(潜水橋)の心霊体験談
ある地元住民は、深夜に帰宅する途中、高瀬橋を渡った際に奇妙な体験をしたという。
増水後で川は濁り、街灯の光がほとんど届かない中、橋の中央付近で前方に白いワンピース姿の女性が立っていた。
速度を落として避けようとすると、その女性はふいに消え、代わりに車のすぐ横で水面から複数の手がゆらゆらと揺れていた。
恐怖でアクセルを踏み込み、一気に橋を渡り切ったが、バックミラーにはずっと水滴を垂らし続ける白い影が映っていたという。
高瀬橋(潜水橋)の心霊考察
高瀬橋で語られる怪異は、多くが「事故死者の怨念」や「水難事故の霊」と結びつけられている。
潜水橋という構造は増水時に危険が増し、過去には運転ミスや視界不良による転落事故が繰り返されてきた。
欄干がないため水面との境界が曖昧であり、霊的な存在が接近しても違和感を抱きにくい環境であることも、怪異の目撃を増やしている要因と考えられる。
除霊や供養が行われたという記録もあるが、それでも事故は後を絶たず、橋全体に残された「恐怖の記憶」が土地に染み込んでいる可能性が高い。
高瀬橋は単なる交通路ではなく、吉野川に命を奪われた者たちの魂が静かに佇む「境界の橋」であるといえる。
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