福岡市中央区六本松にひっそりと佇む谷公園には、かつて陸軍墓地として機能していた過去がある。この場所には現在もなお、霊的な気配が色濃く残されているという。今回は、谷公園にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
谷公園(福岡陸軍墓地)とは?

谷公園は、福岡市中央区六本松の住宅街の中に位置する、段階的に構成された広大な敷地を持つ公園である。
正式名称は「谷公園」だが、過去には「福岡陸軍墓地」として知られていた歴史を持つ。
この地は明治19年、陸軍歩兵第24聯隊が福岡城(舞鶴城)に設置されたことに始まる。
以後、日清戦争、日露戦争、支那事変、満州事変、ガダルカナル島の激戦地など、数多の戦場で命を落とした将兵の霊を祀るために墓碑が建てられた。
昭和10年には大規模な改修が行われ、御影石で作られた六基の墓が建立されるに至る。
さらに戦後、昭和57年には「大東亜戦争碑」も加えられ、「ガダルカナル島」「ビルマ・雲南」「ドイツ軍人」などの碑も設けられた。
とりわけ異彩を放つのは、第一次世界大戦中に青島で捕虜となったドイツ兵の墓が存在していることである。
現在では公園として整備されているが、慰霊の場としての静寂と重厚な空気は今なお色濃く残っている。
谷公園(福岡陸軍墓地)の心霊現象
谷公園(福岡陸軍墓地)の心霊現象は、
- 軍服姿の男性の霊が現れる
- 墓碑周辺で突然寒気に襲われる
- 夜になると記念碑の前でうめき声が聞こえる
- 並木道で誰かが後ろをつけてくるような足音が聞こえる
である。以下、これらの怪異について記述する。
軍服姿の男性の霊が現れる
この現象は、特に記念碑周辺で頻繁に報告されている。
日が沈む頃、上層の記念碑のあたりに、かつての日本陸軍の軍装をした男性の姿が現れるという。
目撃者によれば、その霊は静かに立ち尽くし、何かを見つめているようで、決して声を発することはない。
しかし、目が合うとスッと消えてしまうのだという。
墓碑周辺で突然寒気に襲われる
晴天の日であっても、墓碑のそばを通ると急に冷気が身体を包み込み、鳥肌が立つという体験談がある。
科学的には説明がつかない局所的な寒気であり、複数人が同時に感じたという報告もあるため、ただの気のせいでは済まされない。
夜になると記念碑の前でうめき声が聞こえる
谷公園では、夜間に記念碑の前を通ると、まるで苦しんでいるかのようなうめき声が聞こえることがあるとされている。
風の音とも違う、はっきりと人の声のようなその音は、誰もいないはずの場所から聞こえてくるのだ。
並木道で誰かが後ろをつけてくるような足音が聞こえる
公園の最下層、並木道では、誰もいないはずの背後から足音がついてくる体験が報告されている。
振り返っても誰もいない。むしろ、足音が近づいてくるたびに、歩みを止めても音は止まらず、ぴたりと背後で止まったという例もある。
谷公園(福岡陸軍墓地)の心霊体験談
ある若者の体験談によれば、昼下がりの谷公園で、記念碑の横に置かれたベンチに座って休んでいたところ、視界の端に軍帽をかぶった人物が一瞬映ったという。
慌てて顔を向けたが、そこには誰もいなかった。
その直後、彼は背筋をなぞるような冷気に襲われ、足早にその場を離れた。
また別の日、同じ場所を訪れた際、並木道でカメラを構えていた彼は、はっきりと「後ろに立たれている」感覚に陥った。
振り返ると風もないのに葉が揺れ、耳元で「帰れ…」と囁かれたような錯覚を覚えたという。
谷公園(福岡陸軍墓地)の心霊考察
谷公園におけるこれらの心霊現象は、単なる噂話で片付けるにはあまりにも具体的であり、また目撃証言や体感報告の一致度も高い。
数多くの将兵が眠るこの場所には、戦火の記憶が未だに染みついており、それが霊的エネルギーとして現代にまで影響を及ぼしているのではないかと考えられる。
特に、ドイツ兵捕虜の墓や、複数の戦争を跨いで建てられた記念碑の存在は、異なる時代の死者の記憶が交差し、霊的な乱れを生みやすい条件を整えているとも言える。
慰霊の地であることを忘れず、軽率な気持ちで足を踏み入れないことが、最も重要な心得である。
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