天當神社のウワサの心霊話

福山市東手城町にひっそりと佇む「天當神社」。地元では親しみを込めて「てんとうさん」と呼ばれているこの神社には、奇妙な話が絶えない。今回は、天當神社にまつわるウワサの心霊話を紹介する。


天當神社とは?

天當神社の外観

天當神社は、もともと天神山に鎮座していたが、天正年間に当地の城主・茂野(滋野)孫四郎盛久によって、旧引野村字沖浦に遷座された歴史を持つ。

その後、明治8年に現在の古城山へ再び遷座され、現在に至っている。

主祭神は大己貴命(大国主命)であり、さらに災害除けや学問の神としても信仰される菅原道真公も合祀されている。

海の守り神としての側面もあり、かつては海に浮かぶ孤島に建てられていたという特異な立地も特徴である。

現在では埋め立てによって地続きとなり、工場や港湾を一望できる高台に位置する、不思議な静けさをたたえた場所となっている。


天當神社の心霊現象

天當神社の心霊現象は、

  • 白髪の男性の霊が現れる
  • 視界の先に突如として幽霊が現れる
  • 水場の異常(柄杓の凍結状況)
  • 夜には不気味な雰囲気が増し、近づけないという声

である。以下、これらの怪異について記述する。

天當神社では、たびたび「白髪頭の老人」の霊が目撃されている。

一見すればただの参拝者のように見えるが、気がつけば不自然な場所──進行方向の先、あるいは階段の先に現れることがある。

その動きはまるで人間の常識を超え、まさに「先回り」するかのようである。

ある初詣の日、訪れた者が目撃した白髪の人物は、拝殿奥の蔵のような建物の近くに立っていた。

不審に思いながらも水場へ向かったところ、使ったはずの柄杓が凍っていたにもかかわらず、その白髪の人物は手を清めていなかった。

さらに、近くの別の水場には柄杓すら存在せず、手を清める術がなかったはずなのに、どうやって清めたのか、その答えは闇の中である。

視界の狭い境内で、他に誰もいないはずなのに、誰かの気配がする。

そのとき、湖風に揺れる木の葉が擦れる音が、まるで人のささやきのように聞こえたという。

昼間でさえ、その静寂にひそむ何かが肌を撫でるような感覚を覚えるというのだから、夜ともなればなおさら足を踏み入れることはできないだろう。


天當神社の心霊体験談

地元の住民にとって、天當神社は「てんとうさん」として親しまれてきた。

だが、その一方で「幽霊が出るらしい」という噂は根強く残っている。

ある地域住民はこう語る。

「初詣に訪れたある年の冬、柄杓の水が凍るほどの寒さの中で、白髪の人物が蔵の前に立っていた。しかし、その人物は手水を使っていなかった。帰り際、ふと柄杓を見ると、使ったばかりのはずなのに凍っていた。清めたはずの水が凍っていたというのはどういうことか?」

その違和感が頭から離れず、後日友人を連れて再び訪れたが、あの白髪の人物は二度と現れることはなかったという。


天當神社の心霊考察

天當神社における霊的な存在──それは単なる地縛霊なのか、それとも土地や信仰に結びついた守護霊的存在なのか。

白髪の霊が悪意をもって何かをすることはないとされるが、その存在感は明らかに人間の感覚を逸脱している。

手を清めずに現れるその姿は、現世と異界の境界に立つ存在として、神社に漂う神聖さと禍々しさの両方を象徴しているのではないか。

また、神社の立地が元々は海に浮かぶ島であったことも注目すべき点である。

海は古来より“あの世”と“この世”をつなぐ境界として語られており、その地に神を祀ること自体、すでに人智を超えた力が宿る場所であったとも考えられる。

天當神社は、穏やかな日常のすぐそばに、静かに異界への門を開いているのかもしれない──。


天當神社の地図

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心霊考察 編集部では、全国各地に点在する心霊スポットや怪異、ホラー作品を題材に、体験談や噂、地域に残る語りをもとに記録・考察を行っている。

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