岡山県笠岡市にある「金浦霊園」は、自然に囲まれた静かな民営霊園として知られている。しかし、その一角にひっそりと存在する“溜池”には、いくつもの不可解な心霊現象が語り継がれている。今回は、金浦霊園の溜池にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
金浦霊園の溜池とは?

金浦霊園は岡山県笠岡市金浦大谷に位置する民営霊園である。
周囲は静かな住宅地と山林に囲まれ、落ち着いた環境に恵まれている。
全区画が東南向きで、1区画6㎡の広さを持ち、緩やかな勾配と幅広い通路が整備されている。
霊園内には駐車場や水道設備があり、宗旨宗派を問わず利用可能な点が特徴である。
ペット共葬は不可。民営霊園のため手続きも比較的スムーズである。
このように、表向きには「やすらぎの霊園」として語られる金浦霊園だが、その一角に存在する“溜池”には、異様な気配が漂っている。
平成初期、この池で女性が転落死する事故が発生したが、その死の真相は今なお不明である。
事故なのか自殺なのか、誰もはっきりと語らない。
そしてこの池には、もう一つの陰惨な噂がある。
子供もまたこの池に落ちて命を落としたという話があるのだ。
にもかかわらず、池には転落防止の柵が一切存在しない。
まるで誰かを引きずり込むために、わざと安全を無視しているかのようである。
金浦霊園の溜池の心霊現象
金浦霊園の溜池の心霊現象は、
- 池の中から手が伸びているのを見たという証言
- 子供の顔が水面に浮かび上がっていたという話
- 女性が池の畔にじっと立ち尽くしていたという目撃談
である。以下、これらの怪異について記述する。
池から伸びる手
ある日、霊園に訪れていた中年男性が、ふと池に目をやると、水面下から人間の手のようなものが浮かび上がっていたという。
手は何かを掴もうとするように、ゆっくりと水面を撫でていたが、やがて音もなく沈んでいった。
周囲に人影はなかった。季節は夏、落ち葉も浮かんでいない澄んだ水面に、ただ“手”だけが現れていたという。
子供の顔
秋の夕暮れ時、小学生の兄妹が霊園の近くを通った際、池の中央に何かが浮かんでいるのに気づいた。
兄が目を凝らすと、それは子供の顔だったという。
目を見開き、口を大きく開けていたその顔は、まるで助けを求めるようにこちらを見つめていた。
妹が叫び声をあげた瞬間、顔は音もなく水中へと沈み込んだ。
池の畔に立つ女性
夜、霊園の近くを車で通りがかった運転手が、ライトの先に人影を認めた。
霊園の溜池のそばに、白い服を着た女性が立っていたという。
まったく動かず、ただ池の中をじっと見つめていたその姿に、不気味さを感じて通り過ぎた運転手だったが、数秒後バックミラーを覗くと、その女性の姿は跡形もなく消えていた。
金浦霊園の溜池の心霊体験談
「実際に見たんです。子供の顔を――。」
そう語るのは、地元に住む60代の男性である。
彼は30年以上この地域に暮らしており、日課として霊園周辺を散歩しているという。
ある年の秋、彼は早朝の散歩中に池のそばで足を止めた。
水面がやけに揺れていたからである。次の瞬間、水面の中央から白いものが浮かび上がった。
それは、小さな子供の顔だったという。
「目が合った気がした。けれどすぐに沈んだ。あれは夢でも幻でもない。確かに“見た”んです。」
以来、その男性は二度と池に近づくことはなくなった。
金浦霊園の溜池の心霊考察
金浦霊園の溜池に関する霊的現象は、偶然や見間違いでは説明がつかない点が多い。
特に、池から現れる手や、子供の顔といった視覚的な現象が複数の人物によって語られていることから、集団的な幻視とは考えにくい。
また、この池における過去の転落事故――女性の死、そして子供の死亡に関する噂――は、霊的な「怨念」の存在を裏付けているようにも思える。
転落防止柵が未設置である点も異様である。
まるで池そのものが、定期的に“何か”を求めているような印象を受ける。
とりわけ夜間、池の畔に佇む白い服の女性の目撃談は、いまだ池に囚われ続けている魂の存在を示しているのではないだろうか。
金浦霊園の溜池は、安らぎの地であるはずの霊園に、静かに、しかし確実に忍び寄る異界の気配を漂わせている。
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