奈良県奈良市にある「黒髪山の廃墟」は、ネット上で「行ったら呪われる」と噂される心霊スポットである。かつてカラオケやゴルフ、テニスなどが楽しめる総合遊戯施設だったこの場所には、今なお不可解な心霊現象が報告されている。今回は、黒髪山の廃墟にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
黒髪山の廃墟とは?

「黒髪山の廃墟」は、かつて奈良ドリームランドの近くに存在していた総合遊戯施設の廃墟である。
正式名称は不明だが、平屋の壁面に「カラオケス/黒髪山カラオケヤング」と手書きされた文字があったことから、「黒髪山カラオケヤング」「黒髪山カラオケ廃墟」などと呼ばれている。
建物は1975年~1979年に建設され、1985年頃にはテニスコートや2階建てのバッティングセンター、1992年頃にはゴルフ練習場が併設されるなど、徐々に規模を拡大していった。
施設内には「スポーツセンター」や「パターゴルフ」と記された看板も確認されており、単なるカラオケ店ではなく、多機能なレジャー施設だったことがうかがえる。
しかし2000年前後に閉業し、その後は朽ち果て、森と化した敷地に埋もれるように静かに残されている。
現在も建物の一部は現存しているが、その多くは藪に飲まれ、視認することすら困難である。
平屋建てには不法投棄物が山積みとなり、さらに廃墟化した後に誰かが一時的に居住していた痕跡も見られるという。
黒髪山の廃墟の心霊現象
黒髪山の廃墟で報告されている心霊現象は、
- 女性の霊が出るという目撃談
- 行ったら呪われるというネット上のウワサ
- 強烈な視線を感じる
- 不気味な笑い声のような音がする
である。以下に、これらの怪異について記述する。
まず、もっとも有名な心霊現象は、「女性の霊が現れる」という話である。
深夜、平屋建ての建物の前に佇む黒い影が目撃されており、その姿は髪の長い女性のようであるという証言が複数存在する。
通行人が視線を向けると、次の瞬間にはその姿は消え、ただ冷たい空気だけが残るという。
「行ったら呪われる」とネットで語られるようになったのは、実際に訪れた者の間で不可解な体調不良や不幸が立て続けに報告されたことがきっかけである。
中には、帰宅後すぐに事故に遭ったというケースや、原因不明の病に倒れたという例もある。
また、建物の奥からは、まるで誰かがこちらを見ているかのような視線を感じるという声も多く、その場に立つだけで全身の毛が逆立つような恐怖に襲われるという。
視線の正体は不明であるが、見えない「何か」がいることだけは確かである。
さらに、夜になると「ふふふ……」と笑うような女の声が聞こえるという証言もある。
その音は一度耳に入ると、まるで鼓膜の内側から鳴っているかのように離れず、逃げても逃げても追いかけてくるという。
もちろん周囲には人などいない。
黒髪山の廃墟の心霊体験談
ある若者グループが、黒髪山の廃墟を心霊スポット巡りの一環として訪れた。
深夜2時、懐中電灯を頼りに敷地に入った彼らは、異常な静けさと湿った空気に包まれたという。
建物の中に足を踏み入れた直後、1人の女性が突然その場に崩れ落ち、号泣し始めた。
「誰かが私を見てる、後ろにいる」と叫び、背後を振り返るが誰もいない。
しかし仲間の1人が偶然その瞬間をスマートフォンで撮影しており、後で確認すると、女性の背後の暗闇にぼんやりと人の顔らしきものが浮かんでいたという。
この出来事以降、女性は数ヶ月間、体調不良と悪夢に悩まされ続けた。医者の診断では原因不明とされ、心療内科でも明確な病名はつかなかった。
彼女は今でも、あのとき見た「何か」の顔をはっきり覚えているという。
黒髪山の廃墟の心霊考察
黒髪山の廃墟にまつわる心霊現象の多くは、「女性の霊」と「呪い」に関連している。
過去にこの場所で何があったのかは公には記録されていないが、「何者かが住んでいた痕跡」や「不法投棄物の山」などから、ただの廃墟とは言い難い空気が漂っている。
もともとこの施設が娯楽を目的とした明るい場所だったはずが、荒廃と共に不気味さを増し、人が去った後に別の“何か”が住み着いた可能性もある。
人々の不安や噂が「女性の霊」や「呪い」という形で具現化したのか、それとも本当に、何かが“いる”のか。
黒髪山自体も古くから神聖視された山域であり、その地に建てられた娯楽施設が、知らず知らずのうちに“何か”の怒りを買ってしまったとも考えられる。
目に見えぬ恐怖と、確かに感じる視線。黒髪山の廃墟は、今もなお、静かに人間の世界との境界を超えて存在しているのかもしれない。
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