北九州市に実在する「3本イチョウの木」。長年“御神木”として大切にされてきたこの木には、伐採を試みた者が事故死し、その家族にまで災厄が及ぶという祟りの噂がある。夜には動物の霊が現れるという目撃談もあり、今なお不可解な現象が語り継がれている。今回は、3本イチョウの木にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
3本イチョウの木とは?

3本イチョウの木は、福岡県北九州市八幡西区、県道73号線沿いにそびえ立つ巨大なイチョウの木である。
その姿は異様であり、幹は太く枝葉は大きく道路にはみ出し、まるで通行人を見下ろしているかのようである。
この地にはかつて「扇天満宮」が存在し、1917年(大正6年)まではこの大木の近くに社殿が建てられていた。
度重なる遠賀川の氾濫によって社殿は現在の場所へ移されたが、3本のイチョウの木だけはその場に残され、”御神木”として今も語り継がれている。
長年にわたり地域住民に敬われ、初詣の時期には今でもしめ縄が施されている。
だが、この木にまつわる怪異はそれだけでは終わらない――。
3本イチョウの木の心霊現象
3本イチョウの木の心霊現象は、
- 木を伐採しようとすると、祟りに遭う
- 工事関係者が不審死を遂げ、その家族にまで災厄が及ぶ
- 動物の霊が現れるとの目撃証言
- 通りすがると奇妙な気配や視線を感じる
である。以下、これらの怪異について記述する。
かつて、この3本の木を伐採しようとする計画が県道の拡張工事にともなって進められた。
だが、作業に関わった人物が不可解な事故で命を落とし、その後、遺族が交通事故に巻き込まれるという悲劇が連続したという。
まるで何か見えざる存在が、木を切る行為に対して報復をしているかのようであった。
地元住民は「この木には手を出してはならない」と語る。
伐採計画は地元の猛反対によって中止され、現在に至るまで木々はそのまま残されている。
行政も、明確な理由を述べず計画の凍結を続けているが、恐らく本音では「祟り」を恐れての判断であろう。
また、夜間にこの木の付近を通ると、動物のような影が幹の周りを這い回っていたという証言が後を絶たない。
中には、通行中の車のライトに一瞬照らされる何かの姿を見たという者もいる。
ある者は、木の近くで写真を撮影したところ、不気味な白いもやが木の幹を包み込むように写っていたという。
音もなく、声もないが、そこに確かに“気配”だけが残る場所、それが3本イチョウの木なのである。
3本イチョウの木の心霊体験談
ある男性は、深夜に県道73号線を車で走行中、ふと視界の端に白い犬のようなものが飛び出してきたのを見た。
慌てて急ブレーキを踏んだが、車外には何の痕跡もなかった。
数日後、その男性の自宅の玄関先に、動物の足跡のようなものが泥で残されていたという。
しかし、その家では犬も猫も飼っていない。警察にも届けたが、「自然現象」と処理されたそうである。
以来、その男性はこの道を通ることを避けるようになった。
3本イチョウの木の心霊考察
この木々にまつわる現象の根源は、“御神木”として長年祀られてきた神聖な存在を、人間の都合で傷つけようとしたことにあると考えられる。
自然崇拝の考え方では、木や岩といった自然物には神が宿るとされており、それを切るという行為は神への冒涜である。
実際に祟りに遭ったとされる人々のエピソードや、それを恐れて撤回された行政の対応を見るに、何か“人ならざる存在”が怒りの念を持っているのではないかと感じざるを得ない。
また、動物の霊の目撃や不明瞭な影の出現は、御神木に宿る霊的存在の顕現の一端であるとも解釈できる。
それは怨念ではなく、神域を穢す者への警告かもしれない。
いずれにせよ、3本のイチョウの木は、単なる古木ではない。
今もなお何かがそこに「在る」ことを、静かに、しかし確かに、周囲に知らせ続けている。
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