焼山寺のウワサの心霊話

徳島県神山町の山深くに佇む四国八十八箇所第十二番札所・焼山寺には、古くから大蛇封じ込めの伝説や遍路の霊の目撃談など、数多くの怪異が語り継がれている。今回は、焼山寺にまつわるウワサの心霊話を紹介する。


焼山寺とは?

焼山寺の外観

焼山寺(しょうさんじ)は、徳島県名西郡神山町下分字地中に位置する高野山真言宗の寺院である。

摩盧山、正寿院と号し、本尊は虚空蔵菩薩を安置する。標高938メートルの焼山寺山の中腹、標高約705メートル地点に境内を構え、四国霊場の中でも三番目に高い山岳札所であり、阿波霊場三難所のひとつとして知られている。

その歴史は大宝年間(701〜704年)にまで遡り、役行者が開山し蔵王権現を祀ったことに始まる。

のちに弘法大師が当地で、火を吐く大蛇を退治し岩窟へ封じ込めたという伝承が残る。

寺号はこの大蛇封じ込めの逸話に由来し、今なお「大蛇封じ込めの岩」は境内近くに存在している。

また、境内までの参道には樹齢500年を超える杉の巨木が百本以上立ち並び、昼間でも薄暗く、不気味な空気が漂う。

その山深さと歴史の重みが、訪れる者に独特の圧迫感を与えるのである。


焼山寺の心霊現象

焼山寺の心霊現象は、

  • 境内や参道で心霊写真が撮れる
  • 大蛇封じ込めの岩が、熱気を帯び脈打つように鼓動する
  • 境内周辺で不可解な影が横切る
  • 焼山寺へ向かう遍路道で、衛門三郎の霊を目撃する

である。以下、これらの怪異について記述する。

境内や参道で心霊写真が撮れる

焼山寺で最も有名な噂は、境内で写真を撮ると高確率で心霊写真になるというものである。

特に杉木立の奥や大蛇封じ込めの岩付近で撮影した画像には、人影や白い靄、時には人ならざる形相が映り込むと言われる。

撮影後に体調を崩したという報告も多い。

大蛇封じ込めの岩が脈打つ

弘法大師が封じたとされる大蛇の岩は、普段は冷たい石であるが、ある時期や特定の天候の際、岩肌が温かくなり、内部から鼓動のような振動を感じることがあるという。

耳を近づけると低いうなり声のような音が聞こえるとの証言もある。

不可解な影が横切る

参道を歩くと、前方や視界の端を人影が横切ることがある。

しかし、そこには誰もいない。影は背の高い人型のものから、うずくまるような異形までさまざまであり、振り返った時にはすでに消えている。

衛門三郎の霊を目撃する

焼山寺の手前、杖杉庵へ向かう道中では、四国遍路の始祖とされる衛門三郎の霊が現れるとされる。

彼は焼山寺へ向かう途中で力尽き、この世を去った。白装束の男が杖をつき、無言で山道を歩いてくるが、すれ違う瞬間に姿が消えるという。


焼山寺の心霊体験談

ある男性は、友人と夏の夜に焼山寺を訪れた。懐中電灯を手に杉木立の参道を進むと、背後から複数の足音が聞こえたという。

振り返るが誰もいない。境内に到着し、大蛇封じ込めの岩を写真に収めたところ、岩の上に長い舌を持つ異形の顔が浮かび上がっていた。

翌日、男性は高熱にうなされ、夢の中で巨大な蛇が体を締め付ける感覚に苦しんだという。


焼山寺の心霊考察

焼山寺にまつわる怪異は、その地の深い歴史と伝承が影響していると考えられる。

大蛇封じの逸話は単なる伝説ではなく、土地そのものに刻まれた強烈な“気”を示している可能性がある。

鼓動する岩や心霊写真は、封じられた存在が今なお息づき、時折その力を漏らしている証左ともいえる。

また、衛門三郎の霊の目撃談は、この山が多くの巡礼者にとって命がけの難所であったことを物語る。

霊場であると同時に、人の生死の境界に近い場所――焼山寺は、その静寂の奥に得体の知れぬ脅威を秘めた、四国でも屈指の心霊スポットである。


焼山寺の地図

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