大分県中津市にある八面山大池には、古くから「女性の霊が現れる」「すすり泣く声が聞こえる」といった数々の心霊現象が語られている。龍にまつわる伝説が残るこの神秘的な池で、一体何が起きているのか――。今回は、八面山大池にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
八面山大池とは?

八面山大池は、大分県中津市三光田口の八面山中腹に位置する農業用の溜池である。
その歴史は古く、最初に池が築かれたのは大宝年間(701年〜704年)とされており、実に1300年以上の時を経て現代に至っている。
この地には「龍珠伝説」と呼ばれる雨乞いにまつわる神秘的な逸話が残っている。
天明5年、干ばつに苦しむ村人が海門禅師に雨乞いを依頼したところ、池の水面から白い煙が立ち上り、手に珠を持つ美しい女性の顔をした龍が現れた。
龍女は「この珠を受け取り、私を成仏させてくれるなら雨を降らせましょう」と告げ、禅師がその願いを受け入れると、五日間雨が降り続いたという。
現在、大池は農業用水として使われているが、整備された遊歩道や自然の景観から、訪れる者も少なくない。
しかし、この静寂に包まれた池には、もう一つの顔がある。――それは、霊が彷徨う心霊スポットとしての一面である。
八面山大池の心霊現象
八面山大池の心霊現象は、
- 女性の霊が現れる
- すすり泣く声が聞こえる
- バイク走行中に霊が掴みかかってくる
- 自殺者の霊が池の周囲に出没する
である。以下、これらの怪異について記述する。
この池で最も多く語られているのは、女性の霊の出現である。
池の周辺では、深夜にふと気配を感じた直後、水面の向こうに白いワンピース姿の女性が立っているのを目撃したという証言が相次いでいる。
その表情は虚ろで、どこか哀しげにこちらを見つめていたという。
また、人気のない昼下がりに湖畔を歩いていた登山者が、誰もいないはずの茂みから「うっ…うっ…」とすすり泣く声を耳にしたと話す。
その声は次第に近づいてきて、恐怖のあまり足がすくみ、逃げ出すことすらできなかったという。
さらに、夜間にバイクで池の周囲を走行していた者の中には、急に後ろから重みを感じ、振り返ると冷たい女の手が背中に触れていたという体験談もある。
後に確認したところ、そのライダーは原因不明の高熱を出して寝込んだという。
この池では近年、入水自殺が増えていると噂されている。
中でも、女性の自殺が多く、それゆえ霊も女性として目撃されることが多いのではないかと囁かれている。
八面山大池の心霊体験談
ある女性が、友人と共にハイキングのついでに大池を訪れた。池のほとりで写真を撮った際、不自然に白く霞んだ人影が写真に映っていたという。
さらに帰宅後、彼女は深夜になると女性のすすり泣く声を耳にするようになり、眠れぬ夜が続いた。
翌週、再び池を訪れ写真を池に沈め「ごめんなさい」と謝ったところ、声はぱったりと止んだという。
八面山大池の心霊考察
八面山大池における心霊現象の多くは、女性の霊に関するものである。
これは、池にまつわる「龍女伝説」と無関係ではないだろう。
美しい女の顔をした龍が成仏を願ったという逸話が、時代を超えて形を変え、現代においては女性の霊として目撃されているのかもしれない。
また、入水自殺という死に方は、非常に強い未練や悲哀を伴うことが多く、霊が成仏しにくいとされている。
その想念が大池という閉鎖的な水辺に滞留し、霊的現象を引き寄せている可能性が高い。
さらに、池周辺には八大龍王を祀った祠が存在することも確認されており、ここがかつてより霊的な場であったことは間違いない。
美しい自然に囲まれたこの池は、一見穏やかな佇まいであるが、その水面の奥底には今なお、語られぬ哀しみと怨念が渦巻いているのかもしれない。
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