山口県下関市の安岡海水浴場には、美しい海岸線の裏に隠された戦慄の噂が存在する。1995年に発覚した響灘バラバラ殺人事件の影響で、この場所では今もなお不穏な心霊現象が語り継がれているという。今回は、安岡海水浴場にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
安岡海水浴場とは?

安岡海水浴場は、山口県下関市の山陰本線・安岡駅から徒歩6分という好立地に位置する、地元住民に親しまれてきた海水浴場である。
遠浅で波も穏やか、海も砂浜も美しく、特に夕暮れ時には絶景が広がる。
夏季の7月から8月にかけては、多くの家族連れやカップルが訪れる場所であった。
しかし、そうした明るい印象とは裏腹に、この海には忘れ去られた惨劇の記憶が刻まれている。
1995年、ここで恐ろしい事件が発覚した。響灘バラバラ殺人事件である。
海辺で発見されたのは、ショルダーバッグに詰められた男性の頭部。
その後の捜査で、被害者は当時37歳の男性であり、加害者は彼の実父である吉田容疑者であることが明らかとなった。
父は息子を殺害し、その遺体を切断して複数箇所に遺棄したとされる。
すべての部位は見つかっておらず、今もこの海には“欠けた遺体”の一部が沈んでいるという噂が絶えない。
安岡海水浴場の心霊現象
安岡海水浴場の心霊現象は、
- 夜の海岸で、バッグを抱えた男性の霊が立ち尽くしている
- 海の家跡地付近で、誰もいないのにシャワーの音がする
- 海面に“もう一つの夕日”のような光が浮かび、それが消えると波打ち際に黒い影が現れる
- 砂浜で遊んでいた子どもが、「砂の中から腕が出てきた」と怯えて泣き出した
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず「バッグを抱えた男性の霊」についてであるが、これは深夜、誰もいないはずの海岸に現れるとされる。
バッグは古びた黒いショルダーバッグで、その中には“何か重たいもの”が詰まっているように見えるという。
姿ははっきりしているが、目が合うとスッと消える。
これが、事件で見つかった頭部の入ったバッグと関連していると考える者は多い。
次に、海の家の跡地で起こる“シャワーの音”である。
現在は閉鎖されて設備も撤去されているにも関わらず、夜間に水が流れるような音が聞こえる。
近づいても水源は見つからず、ただ冷たい潮風が吹いているだけであるという。
また、海面に浮かぶ“もう一つの夕日”のような光の目撃例も少なくない。
これは夕暮れ時に現れ、実際の太陽とは異なる位置に赤黒く光る球体が見えるという。
やがてそれは海へ沈み、その直後、波打ち際に黒い影が一瞬現れる。
この“もう一つの夕日”は、幻日現象という説もあるが、それにしては周囲が異様に静まり返ることが気にかかる。
さらに、子どもが「砂の中から腕が出てきた」と怯えるケースも報告されている。
多くの場合、それは夏の午後の出来事であり、何かに足を取られたように転ぶと、次の瞬間、砂の中から冷たい何かが触れてくるというのだ。
安岡海水浴場の心霊体験談
ある中年男性は、8月の夕暮れ時に一人で波打ち際を散歩していた。
心地よい潮風の中、ふと前方に黒いバッグが落ちているのに気づいた。
拾い上げようと手を伸ばした瞬間、バッグが勝手に海の中へズルズルと滑り落ちていった。
慌てて後を追おうとしたが、波間から突然黒い人影が浮かび上がり、睨みつけられたという。
その後、男性は数日間、高熱と幻覚に悩まされた。
安岡海水浴場の心霊考察
安岡海水浴場における心霊現象は、単なる偶然や自然現象では片付けられないほどの一致性と恐怖性を孕んでいる。
バラバラ遺体の遺棄という凄惨な事件の記憶が、未回収の遺体部分と共にこの海に刻まれているのは間違いない。
特に、頭部のみが発見されたという事実と、バッグを抱える霊の目撃談は明らかに関連があるように思われる。
“もう一つの夕日”に関しても、幻日としての説明では感情のざわめきや冷気の説明がつかない。
あれは、何かが“沈んでいった”記憶の残像かもしれない。
現在では、夏場も施設の運営が停止しており、観光客の数も減っているというが、果たしてそれは偶然なのだろうか。
かつて多くの人が楽しんだこの海に、今なお“忘れられぬ存在”が佇み続けているのかもしれない。
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