鵜の巣断崖は岩手県北部・田野畑村に位置し、200メートルに及ぶ切り立った断崖絶壁と、過去に数多くの投身自殺が発生したという暗い歴史を有する場所である。夜間、駐車場では誰もいないはずの視線を感じ、断崖からは女性の悲鳴や奇妙な呻き声が響き、展望所付近では不可解な接触が報告される。今回は、鵜の巣断崖のウワサの心霊話を紹介する。
鵜の巣断崖とは?

鵜の巣断崖は、岩手県北部の田野畑村に位置する、垂直に切り立ったリアス式海岸の断崖である。
全長約200メートルにも及ぶその断崖は、太平洋を望む絶景を誇る一方で、昔から投身自殺の名所として悪名高い場所である。
崖の中腹にはウミウの巣が存在し、そこから「鵜の巣断崖」という名称が由来している。
駐車場から続く整備された松林の遊歩道を辿ると、500メートル先にある展望台から、屏風のように5列に連なる断崖絶壁が広がり、季節ごとに変化する景観は旅人を魅了する。
しかし、その美しさの裏側には、過去に数多くの自殺や悲劇が刻まれており、現代においても心霊現象が相次いで報告されているのである。
鵜の巣断崖の心霊現象
鵜の巣断崖の心霊現象は、
- 夜間、駐車場において誰もいないはずの視線を感じる現象
- 断崖付近から奇妙な呻き声や女性の悲鳴が響く現象
- 松林や展望台周辺に突如として出現する黒い影の存在
- 展望所付近で、突然足を掴まれるという不可解な体感
である。これらの怪異について、以下に記述する。
夜間、駐車場において誰もいないはずの視線を感じる現象
夜の静寂の中、駐車場に立つと、周囲に人影は認められないにも関わらず、まるで誰かに見られているかのような視線を感じるという報告が多数ある。
これらの視線は、一瞬にして消え去るものの、感じた者に計り知れない不安と恐怖を与えるのである。
断崖付近から奇妙な呻き声や女性の悲鳴が響く現象
海に面した断崖からは、理由の分からぬ呻き声や、女性のキャーーーッという叫び声が夜間に響くとの報告がある。
これらの声は、過去にこの場所で命を絶った者たちの怨念が発したものではないかと噂され、現場に立ち会った者はその音に鳥肌が立つと口を揃えるのである。
松林や展望台周辺に突如として出現する黒い影の存在
整備された遊歩道を進み、展望台周辺に差し掛かると、はっきりとした実体を持たない黒い影が目撃されることがある。
この影は、瞬時に現れては消失するため、実体の有無については議論があるが、目撃者はその存在感に絶対的な恐怖を覚えるという。
展望所付近で、突然足を掴まれるという不可解な体感
展望台で景色を楽しむ最中、突然自分の足元に何かが触れ、掴まれる感覚を覚える者がいる。
振り返っても誰の姿も確認できず、あたかも亡者の霊が生きとし生ける者を引き込もうとしているかのような、不気味な現象である。
鵜の巣断崖の心霊体験談
体験談1:2008年の投身自殺の名所としての恐怖
2008年、盛岡に単身赴任中であった男性が、地元で仲良くなった友人と共に休日ドライブの一環として鵜の巣断崖を訪れた。
到着は夕方の3時過ぎで、周囲には誰もいない静寂の中、あちこちを散策していると、海側の断崖から女性のような鋭い叫び声が突如として響いた。
最初はトラックのブレーキ音と錯覚したものの、国道45号まで約3キロメートル離れていることを考慮すると、その可能性は否定できない。
同行していた友人も同様に悲鳴を聞いたと語り、即刻その場から退散したのである。
体験談2:平成9年の薄暗い松林での遭遇
平成9年、岩手県盛岡に赴任した男性が、地元民と共に鵜の巣断崖に立ち寄った際、薄暗い松林に囲まれた公園内を散策していた。
断崖が見えるデッキにて海岸線を眺めていると、遠くから車のブレーキ音に似た「ひゃーー~」という音が鳴り響いた。
県道からは2キロ以上も離れており、その音が聞こえるはずがないと考えたが、同行していた友人は女性の悲鳴を確かに聞いたと主張し、二人は恐怖のあまり早々にその場所を離れるに至った。
体験談3:夜の訪問が招く不可解な出来事
鵜の巣断崖を夜に遊び半分で訪れた一行の中には、不可解な人影や声、さらには車に手形がつくといった現象を目撃した者が存在する。
また、海流の影響で度々死体が打ち上げられるという噂もあり、近年では、全国的に注目を浴びた殺人事件の被疑者が、鵜の巣断崖から自殺(あるいは偽装自殺)を図ったとの報告もある。
これにより、訪問者は単なる肝試しでは済まされない、命の危険をも感じる状況に陥るのである。
体験談4:同級生とのドライブでの恐怖の瞬間
岩手県北部の観光地としても知られる鵜の巣断崖を、同級生数人と共にドライブで訪れた際の出来事である。
曇天の中、整備された赤松林を抜け、崖の突端に設けられた木製の柵付近に到達すると、「ねえ、私たち以外に誰かいる?」という声が上がった。
普段は明るい雰囲気であったが、その時だけは一行の中に異様な緊張感が漂った。
突端から眼下に広がる絶壁の恐ろしさを前に、歩む道が次第に重く感じられ、友人の一人が突然、崖の向こうから自分を呼ぶかのような不思議な声に誘われ、必死の抵抗の末に車へ戻ることとなった。
しかし、その友人は、その後、説明し難い幻覚や記憶の断片に苦しむようになったという。
さらに、岩手17歳女性殺害事件の犯人とされる小原容疑者が、本来は逃亡中であるにも関わらず、鵜の巣断崖付近で行方を隠したとの情報がある。
大震災前の事件であったが、この男の出身地である田野畑村に戻った形跡があるのか、それとも本当に断崖から投身自殺したのか、警察も把握していない状況であり、この未解決事件は決して風化させてはならないとされる。
鵜の巣断崖の心霊考察
鵜の巣断崖における心霊現象は、単なる偶然や心理的錯覚に留まらず、過去に刻まれた悲劇や自殺者の怨念、さらには未解決事件の闇が複雑に絡み合った結果であると考えられる。
夜間に感じる不気味な視線や、断崖から発せられる女性の叫びは、亡者の苦悶や絶望の叫びが現代に蘇っているかのようである。
松林や展望台周辺に現れる黒い影、そして足を掴まれるという体感は、霊的な存在が未だこの地に留まり、生者に接触を試みている証左であると推測される。
また、岩手17歳女性殺害事件という未解決事件の背景が、さらにこの地に不気味なオーラを付与している。
指名手配中の小原容疑者が、もしもこの場所から行方を隠しているのであれば、その存在が地域全体に恐怖を拡散させ、心霊現象と相まって現実と霊界との境界を曖昧にしている可能性がある。
このように、鵜の巣断崖はその圧倒的な自然美と共に、数々の心霊現象や悲劇が交錯する、決して安易に訪れるべきでない場所である。
訪問者は、その美しさに心惹かれる一方で、背後に潜む不気味な空気と、歴史に刻まれた数々の惨劇を決して忘れてはならないのである。
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