岩手県にある日本三大鍾乳洞のひとつ「龍泉洞」。その美しさと神秘性から多くの観光客を惹きつける名所であるが、一方で心霊スポットとしても知られている。今回は、龍泉洞にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
龍泉洞とは?

龍泉洞(りゅうせんどう)は、岩手県下閉伊郡岩泉町にある日本三大鍾乳洞のひとつである。
全長は2.5km以上とも5km以上とも言われており、その幻想的な地底湖は「龍泉洞地底湖の水」として名水百選にも選ばれている。
しかし、この美しい観光名所には、訪れた者の心に何かしらの影を落とす異様な気配が漂っている。
1968年、潜水調査中の調査員が濁った水の中で方向を失い、命を落とすという痛ましい事故が発生している。
以後、長年にわたり調査は中断された。
こうした背景を持つ龍泉洞は、自然の驚異と共に、得体の知れない「何か」が存在する場所としても囁かれているのだ。
龍泉洞の心霊現象
龍泉洞の心霊現象は、
- 洞内で女性の霊が目撃される
- 水面に無数の人の顔が写り込む
- 写真を撮ると火の玉が写る
- 龍泉洞に近づくと体調不良に陥る
- 霊感のある者は異様な気配を感じ取る
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず語られるのが、「女性の霊」の存在である。
観光客の中には、地底湖の奥や岩の隙間に白い服を着た女性の姿を見たという者が複数存在する。
しかし、気づいて目を向けると、そこには誰もいない。
まるで、見られたことに気づき、闇に溶けるように姿を消してしまうという。
また、地底湖の静かな水面には、無数の顔が浮かび上がるという報告が後を絶たない。
しかもそれは、水面のゆらぎによる錯覚ではない。カメラで撮影した際にも、明らかに人の顔のようなものがいくつも写り込むのである。
これを目にした者は、後日悪夢にうなされるとも言われている。
さらに、火の玉が写真に写り込むという奇怪な現象も確認されている。
肉眼では見えないそれは、なぜかレンズを通すと姿を現すという。
そしてその写真を撮った者は、決まって体調を崩すという奇妙な共通点もある。
霊感の強い者が龍泉洞に入ると、突如として頭痛や吐き気、めまいに襲われるという話も数多く残されている。
まるで、そこに近づくこと自体を拒絶する「何か」が存在しているかのようである。
龍泉洞の心霊体験談
ある人物が語る体験によれば、龍泉洞の前のバス停付近で、不思議な現象が起きたという。
「連れの向こう、私と反対側の車道を小さな子供が歩いていたんです。車道なので危ないと思って先を見たら……誰もいなかったんです。おかしいと思っていたら、連れも“自分の側を誰かが通り過ぎた感覚があった”と言い出しました。けれど、周囲に誰もいないんです。あれは、今でも本当に不思議です」
このような体験談は一例に過ぎないが、龍泉洞周辺での不可解な出来事が実際にあることを物語っている。
龍泉洞の心霊考察
龍泉洞で報告されている心霊現象は、偶然や錯覚では片付けられない要素が多い。
中でも、「水面に浮かぶ無数の顔」や「火の玉の写り込み」は、環境的な要因だけでは説明が難しい。
一部では、洞内の独特な地形や湿度、照明などがシミュラクラ現象を引き起こしているという説もある。
しかし、体調不良や霊の目撃、写真に写り込むものが“複数の人間”によって報告されている点を考慮すれば、それだけでは説明がつかない。
1968年に発生した調査員の死亡事故もまた、何かしらの影をこの場所に残したのではないかとも考えられる。
調査が止まり、再び人の手が入ることなく放置された年月の中で、「何か」が静かにこの地に根を張ったのかもしれない。
龍泉洞――それは美しい自然の裏に、今なお誰にも知られざる「霊の住処」が潜んでいる場所なのである。
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