北海道帯広市にかつて存在した中世ドイツ風のテーマパーク「グリュック王国」。廃墟となった現在では、訪れた者が不可解な現象に遭遇するなど、心霊のウワサが絶えない場所となっている。今回は、グリュック王国にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
グリュック王国とは?

グリュック王国(独: Glücks Königreich)は、北海道帯広市にかつて存在した中世ドイツをモチーフとしたテーマパークである。
1989年7月に開園し、約10万平方メートルの敷地に「グリムの森」や「ビュッケブルグ城(シュロスホテル)」など、実物大のドイツ建築が並び、ヨーロッパの空気をそのまま持ち込んだような世界観で人気を博した。
しかし、バブル経済崩壊後は来場者数が激減。度重なる赤字経営の末に2003年に休園、そして2007年に正式に閉園された。
園内の建物や遊具は今も残されており、現在では立ち入り禁止区域となっているが、肝試し目的で訪れる者が後を絶たない。
グリュック王国の心霊現象
グリュック王国の心霊現象は、
- 色白で丸顔の男性の霊が現れる
- 恨めしげにこちらを見つめてくる
- 女性の霊の目撃情報
- 城内からラップ音が聞こえる
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず最も多く語られるのが、色白で丸顔、痩せこけた体にギョロッとした目を持つ身長160センチほどの男性の霊である。
その霊は突然、城内の廊下や門の影に現れ、目が合うとゆっくりとこちらに顔を向けてくるという。
口を開けて何かを言おうとしているようだが、そこに見えるのは人間とは思えぬ牙のような歯。
目撃した者の証言によれば、その顔つきは明らかに「この世のものではない」そうだ。
次に語られるのが、女性の霊の存在である。
かつて園内の遊具で、痩せ型の女性客が安全ベルトをすり抜け転落死する事故が起きた。
目撃者によれば、その女性の霊は夜になると、事故現場周辺に立ち尽くし、時折、消えるように姿を消すという。
首をかしげ、助けを求めているようにも見えたとの証言もある。
さらに恐ろしいのが、誰もいないはずの城内から定期的に聞こえるラップ音である。
「カン、カン……」と、金属を叩くような音が響くことがあり、まるで誰かがそこに「居る」かのような気配を感じさせる。
肝試しに訪れた若者の中には、音と共に風もないのに髪が揺れた、という体験談も存在する。
グリュック王国の心霊体験談
ある若者グループが夏の夜に肝試しでグリュック王国跡地に入ったところ、シュロスホテルの前でひとりの男性が突然うずくまり、「見た…見た…」と震え始めたという。
彼は、門の向こうからこちらを睨む「白い顔の男」と目が合ったと語った。
その後、彼は一週間以上高熱にうなされ、誰かの視線を感じると怯え続けたという。
病院では異常が見つからなかったが、彼の母親が霊能者に相談したところ、「何かを連れてきてしまった」と告げられたらしい。
グリュック王国の心霊考察
グリュック王国は、ただの廃墟となったテーマパークではない。
中世ヨーロッパの「死と隣り合わせの文化」を忠実に再現し、異国の魂までも取り込んだかのような場所である。
ビュッケブルグ城の内装も本物の写しであり、異国の霊的なエネルギーがそのまま残っている可能性が高い。
また、実際に死亡事故が発生しているという事実が、霊的な引き金となっていることも考えられる。
「誰かの恨み」や「未練」が、廃墟となったこの場所に留まり、時折この世に干渉しているのではないかと推察される。
現在も立ち入りは禁じられているが、心霊スポットとしての噂は絶えず、訪れた者の中には不可解な現象を体験する者が後を絶たない。
グリュック王国は、確かに「何かが棲んでいる」としか思えない場所である。
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